システムのセットアップ

産業用ロボットは、通常はアームの手首部分から先がない状態で出荷されます。お客さまの現場ではそれぞれさせたいことに合わせてシステムエンジニアリングが必要になります。空気でワークを吸い込む吸入カップ、ワークを把持するグリッパ、溶接ツールなどそれぞれの目的に合わせてエンドエフェクタを取り付けていきます。またロボット単体ではなく工場のラインに組み込む際には、周辺機器を含めた設備全体のシステムエンジニアリングのご提案も行っています。

システムセットアップ

ティーチング

ロボットコントローラにつながっているプログラミングペンダントで産業用ロボットを操作しながら動作パスを生成していきます。人協働ロボットであればダイレクトティーチングでアームを直接握ってポイントを覚えさせることでプログラムの生成ができます。このやり方であれば、ロボット初心者でも直観的な動きで操作でき、ティーチング時間も短縮できます。

ロボットシステムの設計における安全確保のお願い

産業用ロボットには他の産業用機械とは異なり、「据付面積よりも広い可動範囲」、「高速かつ高出力のアームの動き」、「多様で自律的な動作」といった優れた特長があります。

その一方、注意を怠ったり使用方法を誤ったり、ロボットが動作中であるにも関わらず作業者が動作領域内へ誤って侵入したりすると、重大な怪我や設備の損傷につながるリスクがあります。

また、ロボットは部分的に完成した製品であり、その本体だけでは最終製品として機能しません。お客さまがエンドエフェクタ、センサーおよび周辺機器と連携させながら、ロボットのタスクをプログラミングし、生産設備に組み込まれたロボットシステムを構築することで、はじめてロボットの運用ができます。ロボットシステムの設計については、ロボット製品を購入したお客さまおよびシステム設計者(システムインテグレータ)において適切に実施してください。

特に、ロボットシステムを設計する際には以下の点にご注意をお願いします。

  1. お客さまで準備をされたロボットシステムを構成するエンドエフェクタ、ワークおよび周辺機器については、当社では安全性を保証できません。ロボットシステムを設計する方は、システム全体で十分な安全が確保できるよう、安全規格に準拠した設計を行ってください(例:ISO 10218-2(JIS B 8433-2))。
  2. ロボット運転中の設備損傷や作業者及び周囲の人への万一の災害を避けるために、安全柵(ISO 12100 (JIS B 9700) / ISO 14120 (JIS B 9716)に適合したもの)を設置してください。また、安全柵の出入り口には扉を開くとサーボ電源がOFFするセーフティプラグなどのインターロック装置を設け、扉が開いた状態ではロボットシステムが自動運転できないようにしてください。
    アプリケーションによって人の機械への頻繁な接近、機械との協働作業、機械又はプロセスに対する良好な視認性が求められる場合などにより、安全柵が設けられていない部分がある場合は、検知保護装置(光電管、ライトカーテンなど)を使用して、作業者が動作領域内に入ろうとした時にロボットが停止するようにしてください。
    運転開始前、セーフティプラグなどのインターロック装置、または、検知保護装置(光電管、ライトカーテンなど)を起動してサーボ電源がOFFすることを必ず確認してください。設置方法については、製品個別の取扱説明書を参照してください。
  3. 外部非常停止や、セーフティプラグ、または、検知保護装置による保護停止等の安全機能については、製品個別の取扱説明書に記載の「安全機能」の章を参照して、ロボットシステムの設計を行ってください。なお、当社のロボットコントローラは以下の安全機能を有しています。外部ホールド信号や汎用入出力信号は以下の安全機能には含まれません。
    • 非常停止ボタン入力(ロボットコントローラ/ペンダント)
    • イネーブルスイッチ入力(ペンダント)
    • 安全柵インターロック信号入力(セーフティプラグ)
    • 外部非常停止ボタン入力
    • 安全論理回路

以上