安川グループ会社のi3-Mechatronics(アイキューブメカトロニクス)事例
- ベスタクト製品の品質安定化に向けたデータ活用 -
安川グループのベスタクト・ソリューションズは、鉄道を始め鉄鋼プラントや発電所などの様々なインフラで使われているパワーリードスイッチ「ベスタクト」や、それを内蔵したリレー製品などを生産しています。2024年より、設備の稼働状況や生産状況のデータを活用して、品質の安定化を目指す取り組みを始めました。
ベスタクトは、接点をガラス管に封入したパワーリードスイッチで、ベスタクト・ソリューションズ独自の製品です。耐環境性に優れ、寿命が長く、接触信頼性が極めて高いため、鉄道を中心に鉄鋼や電力、昇降機(クレーンやエレベーター)など様々な産業分野で使用されています。
ベスタクトは非常に精密な製品で、部品の公差・材質の違いや、生産設備の摩耗・劣化などにより品質にバラつきが生じてしまうことが避けられません。そのため、設備を微調整したり、手作業を行うことで狙いの品質を造り込んでいます。しかし、お客さまの求める特性の品質を造り込むためには、加工・組立技術をさらに高精度に向上させることが必要でした。
安定して高い生産品質を実現するためには、これまでの生産自動化に加えて、機械・設備を実際に稼働させた際に生み出されるデジタルデータを活用することが欠かせません。ベスタクトの生産現場のデータをリアルタイムに解析し、その結果を生産設備にフィードバックして動きをコントロールすることで、狙いの品質を造り込むことを目指しました。
まずYRMコントローラ(統合コントローラ)で設備の稼働状況や生産状況のデータを収集し、YASKAWA Cockpit(視える化ツール)で設備の稼働状況を視える化・分析したところ、コイルを封着する工程の熱量がバラついていることが分かりました。そこで、熱量の変動(電流・電圧値)をリアルタイムに監視・コントロールすることで、不良を抑制できるようになりました。また、設備の状態監視を行うことで異常の早期発見と復元が可能になり、停止ロスの削減にもつながりました。
i3-Mechatronics実践のイメージ
i3-Mechatronics を生産現場で実践することで、安定した品質で効率の良い生産が可能となり、短納期でお客さまへ製品をお届けすることが可能になります。現在はベスタクト・組立ラインの主要装置をYRMコントローラに接続し、各装置からリアルタイムにデータを収集しています。今後はYASKAWA Cockpit専用アドオンアプリの開発を行い、品質・特性データの更なる視える化に取り組むと共に、特性をコントロールする影響因子を解析し、品質改善に繋げる計画です。
株式会社ベスタクト・ソリューションズ
本社所在地 : 福岡県行橋市西宮市2-13-1 (株)安川電機 行橋事業所内
事業内容 : ベスタクトの製造・販売
URL : https://www.bestact.co.jp/
安川電機が提供する、データ活用のソリューションコンセプト
i3-Mechatronics(アイキューブメカトロニクス)