事業等のリスク

当社は、経済・市場の状況等を含む経営の遂行状況にかかるリスクについては、経営会議等の執行会議および取締役会においてモニタリングしています。加えて、当社グループに発生する可能性のあるリスクに迅速かつ的確に対処することを目的に危機管理基本規程を定め、この規程に従い危機管理委員会を設置しています。危機管理委員会では、リスク管理体制の整備に関する事項やリスク管理教育の企画・推進およびリスクが発生した場合の各種対応などを実施しています。また、これらのリスク管理状況は経営会議等の執行会議および取締役会に適宜報告しています。当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクは以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 新型コロナウイルス感染症の影響にかかるリスク

当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響がでている国・地域で事業を展開しています。新型コロナウイルス等による感染症の拡大・長期化に伴う需要減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの従業員や家族等に感染者が発生した場合、当社グループの生産をはじめとした事業活動等に影響を及ぼす可能性があります。部品調達先の所在する国・地域においてロックダウンや非常事態宣言等が行われた場合は、当社グループやサプライヤーにおける部品調達等に影響が起きる可能性があります。その結果、当社グループおよびサプライヤーの生産および製品納入の遅延につながる可能性があります。また、感染症拡大によるお客さまの事業活動への影響を通じて需要が減少し、当社グループの受注・売上が減少する可能性があります。
このような新型コロナウイルス感染症拡大に起因するリスクに対して、当社グループは2020年1月下旬に対策本部を立ち上げ、テレワークの実施等を含めた感染対策の社内徹底など社員の安全確保と事業継続に向けた適切な対策を講じ、被害を最小限に留める取り組みを行っています。また、当社グループではコロナ禍における不透明な先行き状況を踏まえ、必要な成長投資を除く経費について徹底した削減を継続していきます。同時に、コロナショック後のニューノーマルにおける新たな自動化需要を事業機会として取り込むことで業績拡大に努めていきます。

 

(2) 世界経済の状況、各国における不確実性および当社製品の関わる市場動向にかかるリスク

当社グループは、持続的な事業拡大に向けて日本国内および米州、欧州、アジアをはじめグローバルで積極的な事業展開を図っています。当社グループの2021年2月期の売上収益における海外比率は65%であり、海外における情勢の変化は当社の企業活動に大きな影響を与えます。その中でも特に中国の比率は25%となっています。
このような事業を行う海外の各国では政治的変動、経済・市場動向、予期できない法規の改正、宗教・文化等の相違等により、政治的、経済的もしくは法的な不確実性を伴います。これらが顕在化した場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの主要製品であるACサーボモータおよびコントローラ、アーク溶接ロボット、スポット溶接ロボット、塗装ロボット等および半導体・液晶製造装置用クリーン・真空搬送ロボットは、半導体、自動車、液晶、電子部品等の各関連業界の設備投資および生産動向に大きな影響を受けます。これらの業界動向が悪化した場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
このような世界経済の状況や各国における不確実性および当社製品の関わる市場動向にかかるリスクに対して、i3-Mechatronicsを軸としたデータマネジメントを含む新たなソリューションの提供を通じ、工場自動化分野におけるさらなる事業拡大に注力していきます。加えて、社会の持続発展に向けたメカトロニクス応用領域で新たな事業および市場の創出を進め、事業の拡大ならびに安定化に努めていきます。
また、現地生産や現地調達の推進に加えて、“YDX”(YASKAWA Digital Transformation:安川におけるDX推進)の加速により、市場変化をリアルタイムでモニタリングし、柔軟且つ迅速に対応できる経営基盤の強化を図ることで、需要変動や地政学リスク等のリスク発生時の影響を最小限に留めるように努めています。

 

(3) 為替相場の変動にかかるリスク

当社グループはグローバルで事業展開し、その取引先は世界各地にわたるため、為替相場の変動リスクにさらされています。当社グループは、米ドル、ユーロ、中国人民元等の現地通貨建てで製品・サービスの販売・提供および原材料・部品の購入を行っていることに加え、現地通貨建ての製品輸出を行っており、想定以上の為替相場の変動は製品の競争力を弱めるなど、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは現地通貨で表示された資産および負債を保有していることから、為替相場の変動は円建てで報告される当社グループの財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、2021年2月28日に終了した連結会計年度の為替感応度(実績為替平均レート(米ドル:106.0円、ユーロ:122.8円、中国人民元:15.55円、韓国ウォン:0.091円)から1%変動した場合の業績影響額)は、売上収益については、米ドル:約6.9億円、ユーロ:約5.6億円、中国人民元:約9.4億円、韓国ウォン:約2.0億円となり、営業利益については、米ドル:約1.5億円、ユーロ:約0.7億円、中国人民元:約3.0億円、韓国ウォン:約1.3億円となります。
このような為替変動にかかるリスクへの対応として、当社グループでは、先物為替予約契約や為替ヘッジを実行することに加え、現地生産や現地調達の推進などを通じ、為替変動に強い収益構造の構築に取り組んでいます。

 

(4) 原材料の調達にかかるリスク

当社グループは鋼材等の原材料や各種部品を多数の取引先から調達していますが、調達価格の高騰や業界の需要増によっては継続的に必要量を入手できない可能性があります。さらに、取引先において、自然災害、感染症の流行、事故、経営状況の悪化等により、当社グループに対する部品や原材料等の安定的な提供が困難になる可能性があります。
また、サプライチェーンにおける紛争鉱物への対応や環境への配慮などの高まる社会的要求に対し、より高度な対応が求められています。部品等の仕入先に対応不備があれば、部品等の調達や当社製品の販売にも影響を与えます。この結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらの調達にかかるリスクに対し、当社グループは取引先との対話を通じた信頼関係の構築、グローバルでの調達先の分散を図るとともに、適正な在庫水準の確保と現地生産・現地調達の推進を通じた需要変動への対応、国内および主要海外拠点における事業継続計画(BCP)策定による災害リスク等への対応を強化するなど調達機能の強化に努めています。

 

(5) 競争の激化にかかるリスク

当社グループの事業分野においては、それぞれの分野で強力な競合相手が存在します。特に価格面で競争激化に直面し、当社グループ製品のシェアの高い分野においても、将来にわたり競争優位性を保てるという保証はありません。このため競合企業との価格面における激しい競争が発生した場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの製品等は、技術および品質等における競争力を確保するため、適時・適切な製品投入を行う必要があります。当社グループが提供する製品等の競争力が相対的に脆弱である場合や、製品投入時期が適切でない場合等に、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
このような競争の激化にかかるリスクへの対応として、当社グループは、安川テクノロジーセンタの設立をはじめとして研究開発の継続的な強化を図るとともに、i3-Mechatronicsを通じたお客さまにとって最適なソリューションの提供により、製品・サービスの差別化および高付加価値化に努めています。

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