コア技術

コア技術Core Technology

モータを回して100年。
安川電機は技術立社を社是とし、
「モータとその応用」に関する技術開発に日々取り組んでいます。

「モータとその応用」に関する技術開発の、”中核”となる安川電機のコア技術

「モータとその応用」に関する技術開発の”中核”となるコア技術は、
 1)モーション制御
 2)ロボット技術
 3)パワー変換
の3つで、当社グループの最も重要なコア・コンピタンスです。

これらは当社の製品に広く適用され、強みを生み出すための基盤となっている技術群です。このコア技術を貫いているのがメカトロニクスという考え方です。現在では一般的に使われるようになりましたが、もともとはハードウェアの電動機や機械といったメカを電子制御する「メカニズム+エレクトロニクス」の造語として当社が考案した用語で、1972年に商標登録を行ったものです。
お客さまのコトの解決に寄与するとともに、メカトロニクス技術を応用した新規分野の拡大により、社会に新たな付加価値を生み出していきます。それでは当社のコア技術についてご紹介します。

 

 

モーション制御
(モーションコントロール)


モーション制御(モーションコントロール)とは、サーボモータや汎用モータなどを「指示されたとおりに精密にそして効率良く動かす」技術です。
ものづくりに使用される工作機械や社会インフラで利用されるクレーンやポンプなど、様々な機械や装置に適用されています。

モーション制御には、制御する対象物の動作を指令するコントローラと、コントローラからの指令に従ってその対象物を指示どおりに動かすサーボモータ/アンプやインバータが用いられます。サーボアンプにはサーボモータの位置・速度・トルクを制御し、素早く正確に動作させること、またインバータにはモータの回転速度を効率良くかつ適切にすることが求められ、それぞれに対して制御性能を高める技術が適用されています。

 

モーション制御で使われている技術にはモータ技術、制御技術、エンコーダ技術、通信技術があります。

モータ技術
磁石適用技術 / 鉄心、巻線技術 / シミュレーション技術

モーション制御で使われている技術はモータ技術、制御技術、エンコーダ技術、通信技術

モータは電気エネルギーを力学エネルギーに変換して機械を動かす原動機のことです。通電方式の違いによってAC(交流)モータとDC(直流)モータに分類され、さらに、ACモータは同期モータと誘導モータに、そして同期モータは磁石の位置や形状の違いでSPMモータとIPMモータに分類されます。当社のACサーボモータはこのなかの回転子の表面に磁石を取り付けたSPMモータに位置付けられます。モータの小形化・高トルク化・高効率化や滑らかな回転や静かな駆動を実現するため、高性能な磁石の適用や巻線の高密度化、シミュレーションによる設計の高度化技術などが必要になります。

磁石適用技術

モータの小形化・高トルク・高効率化には高性能な磁石の開発が有効です。そのため磁石配置を工夫し、磁石の性能をさらに引き出す技術などに取り組み、製品に適用しています。例えば、ロータ部に永久磁石を内蔵したIPMモータ(Interior Permanent Magnet)では、ロータ部の損失をなくせるため、誘導電動機に比べてさらなる小形化、高効率化が可能となります。
また、ネオジム磁石を含め、磁石材料を巡る開発動向や環境も年々変化しており、これに対応する研究も進めています。

鉄心、巻線技術

モータの性能をあげて高効率化するためには、素材の開発や性能を左右する鉄心や巻線の利用技術が重要になります。モータには鉄損と銅損という損失があり、効率低下の要因になりますが、鉄損を抑えるためには鉄心形状の最適化や鉄心板厚の選定、低損失材料の採用が有効となります。
一方、銅損の低減には高密度巻線技術が有効となるため、当社では分割鉄心技術を業界に先駆けて開発し、集中巻きと呼ばれる高密度巻線技術を製品に適用してきました。このため例えば、銅線をコイルに巻いた後にプレス成形することによって占積率を向上させる巻線の高密度化の技術のひとつである加圧成型コイル技術など、より高性能な巻線の技術開発に取り組んでいます。

シミュレーション技術

モータの技術開発や製品開発には、磁界や熱、構造など、各種のシミュレーションを活用した最適設計技術が適用されています。例えば、磁界解析ではモータの磁気回路を最適化し、高トルク化や損失低減を図っています。熱解析はモータの冷却構造を最適化することで、モータの小形化につながります。また、最適化のために各種解析の間でデータをやり取りしながら解析する連成シミュレーション技術を取り入れた設計にすることで、高精度かつ効率のよいモータになります。

制御技術
制御ループ / センサレス制御 / オートチューニング技術

制御技術はコントローラから受けた指令に対して対象物の①位置、②速度、③トルクの3つの要素を精密に制御するための技術です。サーボアンプやインバータのなかにこの技術が組み込まれ、モータドライブ装置でものを動かすための基本的な技術となります。

制御ループ

モーション制御では、1)位置ループ、2)速度ループ、3)電流ループの三種類のループが基本構成となります。コントローラからの位置指令、モータからの位置や速度、電流のフィードバックを基にモータを駆動させるための駆動電流が生成されます。高精度に制御を行う場合には、速度、摩擦、動作予測、出入力といった動作に関する様々な制御技術が適用され、その結果として加工精度の向上・品質向上や装置の調整時間短縮・タクトタイム短縮などに貢献します。

センサレス制御

FA機器の設置環境は、粉塵や高温など動作に悪影響を与える環境が多くあります。そのような劣悪な環境でも機器の故障を抑え機器を正常に稼働させるために、位置センサや速度センサを用いることなく磁極位置を推定できるセンサレス制御技術が適用されます。センサレスで位置を推定するには、モータに流れる電流と端子電圧からモータの数式モデルに基づいて推定する方法や、モータを駆動する電流にセンシングのための信号を重ね合わせる方法などがあります。

オートチューニング技術

モーション制御で機器の性能を引き出すためには、調整に多くの時間やノウハウが必要です。人手に頼らず、自動で調整を実施するためにオートチューニング技術が適用されます。動作対象のモータの巻線や負荷の慣性の大きさなどの運転に関わる定数を自動的に測定し、最適な定数に調整することで安定した応答を得ることができるため、装置のセットアップに要する工数の大幅な削減に貢献しています。

エンコーダ技術
信号処理技術 / バッテリレスエンコーダ

モーション制御でモータの回転する位置を正確に制御するためには、モータの回転角を精度よく検出する必要があります。エンコーダはモータの回転角を検出するセンサで、エンコーダ技術はエンコーダの高精度化や高分解能化を実現するための技術です。

信号処理技術

回転角を検出する光学スリットの情報を読み取る光学式エンコーダで生成された信号は、当社独自のトラッキング技術により高速処理されて、高精度で高分解能な回転角データを得ることできます。光学式はさらに透過式と反射式に分けられますが、反射式では漏れ光(ノイズ光)の影響を受けずに高精度化を実現した当社独自の方式を採用しています。これにより当社最新シリーズΣ―Xのサーボモータの分解能(=検出能力)は業界最高レベルとなる26ビット(6700万パルス/回転)となっています。

バッテリレスエンコーダ

アブソリュート形エンコーダでは電源オフ時でも動作を保証するためバッテリを利用
光学スリットのパターンで回転角の絶対値を検出できるアブソリュート形エンコーダでは電源オフ時でも動作を保証するためバッテリが利用されています。しかし、バッテリの使用はメンテナンスの必要性やコスト上昇の問題がでてきます。これを解決するため、電源がオフの場合でも、エンコーダの磁石とコイルによってバッテリレスで多回転量を検出し、不揮発性メモリに保存することが可能なバッテリレス技術を開発しています。

通信技術
MECHATROLINK(メカトロリンク) / Σ-LINK II

一般のオフィスなどでインターネットを使用する際は通信速度が重視されますが、FA(工場の自動化)では通信速度だけでなく遅延なく定周期で確実に通信できることが要求されます。ゆえにFAでは遅延なく定周期で通信を行うための技術開発が欠かせません。
そのなかでFA機器に要求される事項は,ソフトウェアとハードウェアを含めたシステムで実現することになります。そのためモーション制御やFA通信に向けて、当社のFA機器の性能を引き出すため、特定用途向けのICチップであるASIC(Application Specific Integrated Circuit)の設計・検証技術を開発しています。

 

MECHATROLINK(メカトロリンク)

MECHATROLINKは安川電機が開発した工業用通信ネットワークの国際標準規格FA機器などの通信ネットワーク(フィールドネットワーク)の一つであるMECHATROLINK(メカトロリンク)は当社が開発した工業用通信ネットワークの国際標準規格です。このMECHATROLINKは、接続されたすべての機器の同期性を保証する技術により、コントローラから容易に複数のモータの同期制御を行えるのが最大の特長です。さらにノイズなどで通信エラーが発生した場合でも同期性を崩さずに自動的に再送処理を行う再送処理技術により、FAにおける通信の信頼性を向上させます。
当社では、これらの特長を実現するモーション制御に関わるASICも開発することで、MECHATROLINKの性能を保証しています。

Σ-LINK II

モータシャフトの反対側に取り付けられるエンコーダは、ケーブルを用いて対でアンプと接続されるセンサの一種です。従来は、ロボットのように複数モータが必要なシステムでは、モータの数だけケーブルが必要でした。この問題を解決するため、複数モータを高機能・高信頼性通信を維持しつつ多段接続(カスケード接続)するように開発された通信技術がΣ-LINK IIです。Σ-LINK IIは、モータだけでなく、センサやI/O機器等の機械側に設置される機器も混在させながら多段接続できます。この技術によりシステムの高性能化・高機能化と省配線化が図れます。

技術開発拠点 安川テクノロジーセンタ(YTC)

3つのコア技術を統合させた
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