産業界での活躍

インバータとは

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「インバータ」はエアコンや冷蔵庫、蛍光灯などの照明器具から、エレベータや新幹線にも入っていて、簡単にいうと「モータの回転数を制御する装置」です。必要以上にモータを回転させないように制御できるので、省エネとCO₂削減に貢献しています。ここではインバータを「歴史」、「種類と特徴」、「産業界での活躍」、「環境エネルギー分野への応用」に分けてご説明します。

 

インバータの登場は、工場の生産性を飛躍的にアップさせ、産業の発展に大きく貢献しています。容易に可変速ドライブができるインバータを使うことで、「省エネ」、「ソフトスタート・ソフトストップ」、「受電設備の小形化」、「回転方向の自在変更」といったメリットが得られます。こうしたインバータのメリットを産業界の様々な用途でどのように適用しているかについてご紹介します。

 

周波数を変えて速度 / トルクを制御

インバータドライブは、1970年代以降、繊維用途への適用から始まって普及が進んできたと言えます。繊維工業では様々な工程からなり、用途に応じてインバータに対する要求が異なります。その一例として紡糸工程のワインダ制御があります。ワインダは延伸した糸をロールにより巻き取るもので、高速で走行する糸束の張力・速度を制御する必要があります。製紙機械も同様にワインダ・アンワインダ工程があり、紙の張力に合わせ回転数を制御しなければいけません。

インバータは、周波数を変えることで簡単にモータの速度、トルクを変えられるので、高精度なワインダ制御を実現できます。また、速度制御範囲が広いという点も、数万回転の高速運転を行う繊維機械や製紙機械には向いているでしょう。

省エネ

モータの回転数を自由に変え、機械を必要以上に運転させないことで省エネを実現します。例えばファン・ブロワの場合、従来はダンパ(開閉弁)などによって空気抵抗を増減して風量を調整しないといけませんでした。風量を減らしても使用する電気の量はあまり減りません。ポンプも同じで、バルブによる流量調整が一般的であり、駆動モータはフル稼働し電力を消費しています。インバータを用いるとモータの回転数制御で風量や流量を調整するので、モータの消費電力を減らすことができます。

工場・事業所における消費電力量の大きさで近年注目されているコンプレッサも、インバータドライブにより使用空気量に応じたモータ回転数を制御することで、省エネに大きな効果を発揮します。また、定出力制御の場合では、吐出空気量の増加など機械の高効率化に貢献できます。

 

ソフトスタート・ソフトストップと、受電設備の小形化

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インバータは低周波数から始動し、任意の時間で加減速が設定できるので、ソフトスタート・ストップができます。動きが優しく、速度変化の多いコンベヤなどでの荷くずれ防止に役立ちます。また、始動時の電流を抑えることで電源側の負担が減り、受電設備を小さくできます。

こうした特長は、エレベータやエスカレータに最適です。人を乗せて昇降するエレベータは乗り心地の改善などの基本性能を向上させるために、滑らかな動きが必要です。また、限られたビル空間に設置されることが多いため、省スペース化構造も求められています。

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エスカレータは、省エネを目的に人がいないときに人感センサで停止させることがあります。ところが、乗客が乗り急に動き出すと体のバランスが崩れてしまいます。インバータドライブであれば、ソフトスタートで安全な加速度を得ることができます。

回転方向を自在に変更

インバータは、内部入力信号(回転指令)を変えるだけで簡単に回転方向を変更できます。また、商用電源のように大きな始動電流を流さず、少ない電流でスムーズに加減速できるため、高頻度のスタート・ストップにも対応可能です。エレベータの頻繁な昇降運動はもちろん、その適用メリットは金属工作物を加工する工作機械ではなお顕著です。

典型的な例として工作物の平面加工を行う平削り盤があります。往復直線運動によって工作物を切削するので、正転・逆転が頻繁に行われます。また、加工物によって最適速度を得るために、広範囲な可変速度が必要となります。おいしいケーキ作りには欠かせない生クリームも、今は機械で製造できます。生クリーム製造機は、熟練した職人の練り上げる動きをプログラム化し、インバータドライブによって回転方向、回転数、運転時間を制御します。インバータによって良質の生クリームが安定的に出来上がるのです。

 

回生電力でさらなる省エネ

クレーンや、自動倉庫といった荷役機械は、物を上下・左右・前後へと移動させる、極めてエネルギー変化の激しい機械です。その昇降運動という特徴を利用して、インバータは回生装置と組み合わせ、巻き下げ時にモータが発電する電力(回生電力)を電源に戻すことで、大幅な省エネ効果を得ることができます。

以上、産業用途を中心に、インバータのソリューションをご紹介しました。自動化・高速化・省エネに対する多様な要求に対応し、その用途はものづくりだけではなく社会・生活に関わるインフラにまで広がっています。また、その電力変換技術は電気自動車・太陽光発電・風水力発電など環境エネルギーにも応用され、いっそうの普及が見込まれています。

 

 

 

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