環境エネルギー分野への応用

インバータとは

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「インバータ」はエアコンや冷蔵庫、蛍光灯などの照明器具から、エレベータや新幹線にも入っていて、簡単にいうと「モータの回転数を制御する装置」です。必要以上にモータを回転させないように制御できるので、省エネとCO₂削減に貢献しています。ここではインバータを「歴史」、「種類と特徴」、「産業界での活躍」、「環境エネルギー分野への応用」に分けてご説明します。

 

電力変換の仕組み

インバータは固定電圧・周波数の交流電源を任意の電圧・周波数に変換する電力変換装置です。インバータの電力変換回路は、コンバータ部、平滑回路部、インバータ部から構成されます。電源から入力された交流電圧をコンバータ部で直流電圧に変換し、その直流電圧を平滑回路部で平滑にします。そして平滑な直流電圧をインバータ部で任意の交流電圧・周波数に変換しモータに供給します。

 

この電力変換の仕組みが、どのように環境エネルギー機器に応用されているのでしょうか?下図のように、インバータ回路と比較しながら、太陽光発電システム、風・水力発電・地熱・工場廃熱などの小容量発電システム、電気自動車用モータドライブシステムの、電力変換の仕組みを見てみると、ほぼ同じだということがわかるでしょう。当社の環境エネルギー機器の特長は、なんといっても電力変換効率の良さです。しかし、それぞれの分野には異なる課題があり、効率以外にも求められることが多くあります。当社は様々な産業機械におけるインバータ技術の応用経験を用いてこうした課題の取り組みを進めています。ここでいくつかの例を紹介します。

 

太陽光発電パワーコンコンディショナ

太陽光発電においては、天候により変動する日射量への対応はもちろん、電力系統と連系するパワーコンディショナの高効率化も重要課題です。当社のパワーコンディショナは世界トップレベルの高効率を誇り、様々なモジュールに対応できる広範囲の入力電圧も実現しています。そして最近、高効率だけではなく「生涯発電量最大化」も重要視されています。平均寿命が20年と言われている太陽光発電パネルには、信頼性が高く壊れないパワーコンディショナが必要です。

 

 

小水力発電 小容量発電システム

多くの自然エネルギーがある中、エネルギー資源が少ない日本でも安定的に生産できるエネルギー源があります。それは水力です。森林で蓄えられ海へ流れる川だけでなく、浄水場や下水処理場などの施設の水も使いやすいエネルギー源です。水は空気の1000倍の重さもあるため、他のエネルギー源と比べても簡単で小さな装置で安全に大きな仕事ができ、変動の少ない電力を安定的に得ることが可能です。当社が開発した発電用電機機器は、水車の発電機特性をインバータ内に持ち、流速の変化に応じて最大の発電機出力が得られるように制御を行い、系統連系コンバータで系統連系を行っています。また、この発電システムの特長を地熱や工場排熱によるバイナリー発電にも適用し、分散された低温熱源の有効利用に役立っています。

 

 

電気自動車(EV)モータドライブシステム

CO₂排出量や化石燃料消費を抑制するために、排ガス規制や燃費規制が強化されています。その対策としてパワートレインの電動化が進展しています。しかし、電気自動車などの普及にはドライブシステムの「広い定出力範囲の確保」「高効率による電費の向上」が欠かせない先決条件です。定出力とは、出力(トルク×回転速度)が一定を維持することです。EVでは、駆動力となる高いトルクと車速を生む高い回転速度の両方が必要なため、広い定出力範囲を確保することが求められています。しかし、モータは一般的に低速用と高速用に分かれています。低速モータは高いトルクを実現しますが、高い回転速度でしっかりしたトルクが出せません。高速モータは高い回転速度を実現しますが、中~高速度帯での車両加速に必要なトルクが出せません。当社が開発したモータドライブシステムは、工作機械用途で開発した巻線切替技術を応用し、1台のモータで低速モータとしての特性と高速モータとしての特性を併せ持つことができます。それによって広い定出力範囲を確保できるとともに、通常のモータよりも広い高効率運転領域をもち、EVなどの電費向上に大きく貢献できます。

 

 

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