気候変動

方針・姿勢

当社は、気候変動を重要な経営課題と位置づけ、気候関連リスク・機会の把握と情報開示を推進するとともに、自社拠点だけでなくサプライチェーン全体での温室効果ガス排出削減に取り組みます。省エネを脱炭素化の基本施策と位置付け、生産設備の高効率化、インバータ活用による電力使用量の低減、エネルギー管理の高度化などへの省エネ投資を継続的に実施します。
また、当社グループにおけるエネルギーの脱炭素化を進めるとともに、サプライヤーとの連携を通じてバリューチェーン全体の脱炭素化を推進します。さらに、ICP(インターナル・カーボン・プライシング)を活用し、気候変動リスクや将来の炭素コストを考慮した投資判断を行うことで、省エネ投資や再エネ導入を加速し、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて着実に取り組みます。

目標と実績

2050 CARBON NEUTRAL CHALLENGE

2050年に当社グループの事業活動に伴うCO2*排出量(スコープ1*+スコープ2*)を実質ゼロ(カーボンニュートラル)を目指します。これに伴い、2030年の同CO2排出量を2018年比(排出量:54,476 t-CO2) で51%削減します。
さらに、サプライチェーンの上流や下流のCO2排出量(スコープ3*)に対しても2030年のCO2排出量を2020年比(排出量:50,439 千t-CO2) で15%削減します。
この2030年の目標は、企業のCO2削減目標が科学的な根拠と整合したものであることを認定する国際的なイニシアチブであるSBTiによって「1.5℃目標」として認定されました。

*CO2:二酸化炭素およびその他温室効果ガス(フロン等)を含む
*スコープ1:主に燃料使用に伴う排出(直接排出)
*スコープ2:購入した電力・熱の使用に伴う排出(電力会社等による間接排出)
*スコープ3:スコープ1、スコープ2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

SBTiに認定された1.5℃目標

  • SBTiに認定された1.5℃目標
  • ・2030年の当社グループの事業活動に伴うCO2排出量
    (スコープ1+スコープ2)を2018年比で51%削減
  • ・サプライチェーンの上流や下流のCO2排出量(スコープ3)に
    対しても2030年のCO2排出量を2020年比で15%削減
  • ※基準年の排出量
  • ・Scope1+2:54,476 t-CO2 (2018年度)
  • ・Scope3:50,439 千t-CO2 (2020年度)

取組み

省エネルギーの取組み

環境中期計画の2025年度の「グループのCO2排出総量30%削減(2018年度比)」を目標に省エネ活動に取り組みました。
2025年度は、八幡西事業所ロボット第5工場における太陽光発電の稼働開始、行橋事業所、つくば研究所および関西支店でのCO₂フリー電力への切り替え、ならびに事業所セントラル空調の高効率化や個別の省エネ活動の推進により、グループ全体のCO₂排出量を35%削減しました。これは目標としていた30%削減を大きく上回り、目標達成となりました。

  • CO2排出量内訳
  • 売上高原単位
  • ※国内の電力のCO2排出量の算定においては、2018年度までは電力会社公表の実排出係数、2019年度以降は調整後排出係数を使用しています。

    ※海外の電力のCO2排出量の算出においては、各国の国代表排出係数(IEAデータ参照)を使用しています。
    【データ対象範囲】安川グループ

電力の脱炭素への取組み

環境中期計画の2025年度の取組みでは、グループ全体のCO2排出量を2018年度比で30%削減することを目標に、さまざまな施策を推進してきました。特に電力分野では、安川電機単体の電力使用量に占めるCO2フリー電力比率を75%以上とすることを目標に取り組んできました。
これまでに八幡西事業所、中間事業所、小倉事業所および入間事業所に加え、2025年2月には行橋事業所においてもCO2フリー電力の導入を完了しました。その結果、国内の当社保有建屋において100%のCO2フリー電力化を達成するとともに、安川電機単体でのCO2フリー電力比率は目標を上回る約85%に達しました。その成果を踏まえ、環境中期計画の2029年度の目標として対象範囲を安川グループ全体に拡大し、電力使用量に占めるCO2フリー電力比率を55%以上とすることを掲げています。

中部ロボットセンタにおけるカーボンニュートラル(CO2排出量ゼロ)達成

中部ロボットセンタ CO2ゼロ電力証明書

中部ロボットセンタ CO2ゼロ電力証明書

2024年5月より、中部ロボットセンタでは中部電力のCO2フリーメニューの契約がスタートし、非化石証書を活用したCO2排出ゼロの購入電力となりました。事業所のエネルギー構成は100%が電力であるため、中部ロボットセンタは安川電機初のCO2排出量ゼロの拠点となりました。CO2ゼロ電力を使用している証明書も中部ロボットセンタのエントランスに掲示してあります。

ロボット第5工場の太陽光システム稼働

ロボット第4工場に続き、2026年7月に操業を開始した最先端の生産拠点であるロボット第5工場において、当社最大規模となる1.5MWの太陽光発電システムが稼働しています。
パワーコンディショナーには当社製のEnewell-SOL P3Aを採用しており、再生可能エネルギーの有効活用と環境負荷の低減に貢献しています。

サプライヤへの省エネ提案

当社は「YASKAWA ECO VISION」に基づき、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを強化しています。その一環として、サプライヤに対し、省エネ診断を実施し、具体的な改善提案を行っています。

主な提案内容

・空調機器の運転パターン最適化、設備改善による省エネ、エア漏れ改善、排気ファンの適正稼働、室外機への日除けネット設置、太陽光発電設備の導入支援など。

これらの提案により、サプライヤのエネルギー使用量の削減、CO2排出量の低減、電力コストの最適化を目指します。当社は、サプライチェーン全体での環境負荷低減を重要な使命と考え、今後も継続的な支援を行ってまいります。

環境推進に関する取組み(ドイツ)

ドイツのYASKAWA EUROPE GmbH ROBOTICS DIVISIONは、2016年12月にISO 50001の認証を取得し、エネルギーパフォーマンスの改善を通じた省エネルギーの取り組みを実施しています。
YASKAWA EUROPE GmbH ROBOTICS DIVISIONは、エネルギーの使用量と効率を可視化するエネルギーマネジメントシステムを使用しており、無駄なプロセスをなくし、作業手順を見直すことで省エネルギーを実現しています。
2024年度に建屋を増築しましたが、増築した建屋についても既存の建屋と同様に、地域暖房 (バイオマスプラントの排熱) を導入しています。2024年6月以降は、地域暖房供給業者からCO₂排出係数0 gCO₂/kWhの証明書を取得しています。さらに、増築した建屋にはDALI (Digital Addressable Lighting Interface) 制御システムを導入し、部屋の用途や需要に応じた調光などにより、高いエネルギー効率を実現しています。
また、従業員の環境保全・省エネルギーに対する意識向上として、「エネルギー・環境キャンペーン」を実施しています。そのキャンペーンのロゴとして「Green YASKAWA Footprint」のステッカーを作成しました。

「Green YASKAWA Footprint」のステッカー

キャンペーンの最初のテーマは、「暖房時のムダな外気流入」で、暖房ラジエーターの温度調節器の近くにステッカーを貼って意識付けを行いました。
次のテーマは「紙および印刷の削減、照明の節電」であり、照明のスイッチやプリンタの近くにステッカーを貼っています。

2024年度までにオフィスの蛍光管をLEDに交換しました。これにより、職場の明るさと快適さが向上しただけでなく、照度を上げた場合でも消費電力を50%以上削減することができました。

オフィスの蛍光管をLEDに交換

さらに、空調のエネルギー消費を最適化するため、中央制御システムの運転プログラムを最適化し、ムダな運転を防止するとともにエリアごとに個別リモコンで調整できる仕組みを導入し、省エネ性と快適性を両立した空調運用を実現しています。
これらの活動は、従業員の省エネルギー意識の向上に成果をあげています。2020年度からは、エネルギーマネジメントシステムで得られたエネルギー使用状況をリアルタイムで計測し、表示するモニターを設置しました。また、他のエリアのリアルタイムデータの収集も継続的に拡大しています。
私たちは従業員の省エネルギー意識の向上により、さらなる環境負荷の低減を目指します。

環境の取り組み(ドイツ事例)ISO認定証

ISO 50001は、エネルギーマネジメントの国際規格で、業種と規模を問わずあらゆる組織がエネルギーを管理し、エネルギーパフォーマンスを継続的に改善していくために利用することができます。

環境保護に関する取組み(インド)

2025年5月にインド安川はインド産業連盟(CII)主催の「全国EHS(Environment, Health & Safety)優秀賞2025」にて、「EHS最優秀実践賞(Best EHS Practices Award)」を受賞しました。

この表彰は、インド安川の世界水準のEHS活動と、持続可能性・健康・職場安全における優れた取り組みを高く評価されたものです。
450社以上が参加する中、インド安川は以下のプロセスで高評価を獲得しました。
・CII専門監査員による2日間の現地審査
・革新性・法令遵守・社会的インパクトを基にした評価スコア制度

  • 受賞につながった主な取り組み:
  • 1.エネルギー効率とCO2削減 U1000テストベンチによるモーター試験のエネルギー30%削減、年間250トン以上のCO2排出削減
  • 2.廃棄物埋立ゼロ施策 リサイクル・アップサイクル・廃棄物エネルギー化により廃棄物100%再利用。プラスチック・ニュートラルも達成
  • 3.業界最先端の安全対策 実体験型トレーニング施設「Safety DOJO」で高リスク環境を再現。予測分析により災害発生リスクを低減
  • 4.基準を超える環境・安全への姿勢 大気質は法定基準より20%良好な状態を維持。クローズドループ水循環システムにより、年間150万リットルの節水を実現しています。

さらに、従業員の健康促進施策として、エルゴノミクス(人間工学)やメンタルヘルスを含む包括的なプログラムを導入しています。
この賞の受賞はインド安川の全従業員一人ひとりの努力の賜物であり、『常に安全を最優先に』という私たちの信念が認められた結果です。
人・地球・生産性への責任を今後も果たしてまいります。

『北九州市脱炭素電力認定制度』において「脱炭素先進企業」に認定
(八幡西事業所、小倉事業所)

2022年3月30日、『北九州市脱炭素電力認定制度』において、いち早くCO2フリー電力を導入した「脱炭素先進企業」として、北九州市内の八幡西事業所と小倉事業所が認定されました。
北九州市は2050年ゼロカーボンシティ実現を目指しており、2025年度までに市内全公共施設を再エネ100%電力へ切り替える「再エネ100%北九州モデル」により、再生可能エネルギーの普及を進めています。本制度は脱炭素への流れを市内企業にも普及し加速させることを目指したものです。
認定企業には『認定ステッカーやロゴマークの提供』などの特典があります。

TCFD提言に基づく情報開示

TCFDロゴ

当社グループは2019年9月にTCFD提言への賛同を表明し、2020年9月には環境省のTCFDに沿った気候リスク・機会のシナリオ分析支援事業へ参加するなど様々な活動を進め、2021年5月にTCFD提言に基づく気候変動関連の情報を開示しました。また、2026年7月には、長期経営計画「2035年ビジョン」を踏まえてシナリオ分析を更新し、1.5℃シナリオおよび4℃シナリオに基づく2035年度の分析を見直すとともに、2050年度を対象としたシナリオ分析を新たに実施しました。
今後も引き続き気候変動関連の情報開示を充実させ、より一層環境に配慮した事業活動を継続していくことにより、持続可能な社会の実現への貢献と企業価値のさらなる向上を図ります。

ガバナンス

当社グループはサステナビリティ方針※1に基づき、取締役会および経営会議において持続的に成長するための重要課題としてサステナビリティ課題・目標(マテリアリティ)の特定および解決に向けた施策を決定しております。また、サステナビリティ推進体制※2として、社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、関連部門の責任者に加え、アドバイザーとして社外取締役が出席し、グループ全体のサステナビリティ施策のモニタリングおよび展開加速を図っております。
気候変動への対応についても、重要課題についてはマテリアリティに位置付け、サステナビリティ委員会にてモニタリングを行うとともに、それ以外の施策を含む全体遂行については、社長が任命した環境推進統括者が運営する環境推進体制※3においてPDCAを管理しております。なお、取締役(社外取締役および監査等委員である取締役を除く)の報酬内容においては、持続可能な企業活動の実現および社会課題への対応を目的に、当社グループのグローバルの事業活動に伴うCO2排出量削減目標(Scope1※4+Scoep2※5)の達成度を評価に組み込んでおります。

※1 サステナビリティ方針:
https://www.yaskawa.co.jp/sustainability/group/policy
※2 サステナビリティ推進体制:
https://www.yaskawa.co.jp/sustainability/group/promotion#system
※3 環境推進体制:
https://www.yaskawa.co.jp/sustainability/env/management#system
※4 事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
※5 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出

戦略

当社グループの主要事業である、モーションコントロール、ロボットおよびシステムエンジニアリングについて、気候変動が及ぼすリスクと機会について検討を行いました。リスクと機会は、政策や規制など気候変動対策や社会的要求の変化等によって生じる“移行”リスク・機会と、自然災害や気温の上昇などによって生じる“物理”リスクが考えられます。
これらのリスク・機会を抽出し、事業活動に与える影響を「特大」「大」「中」「小」の4段階で評価しております。以下に掲載している抽出したリスクと機会について、影響度が「特大」「大」「中」のものについて、2035年度および2050年度の社会を想定した1.5℃シナリオおよび4℃シナリオに基づく分析を実施しました。
その結果、4℃シナリオでは低炭素化は推進されず、異常気象の激甚化が想定され、これにより引き起こされる物理的リスクへの対応が最も重要と考えられます。1.5℃シナリオでは、異常気象の激甚化に伴う物理的リスクに加え、脱炭素化の進展に伴う材料・資源価格の上昇などの移行リスクへの対応が重要となります。
一方、低炭素化が推進されることで、FA機器・産業用インバータ・再エネ発電用機器およびそれらを活用した工場・設備の生産性向上や省エネルギー化を実現するソリューションビジネスの需要拡大が、当社グループにとって大きな事業機会となることが分かりました。
これらの分析の結果、一定の前提の下では、機会による営業利益へのプラス影響が、リスクによるマイナス影響を上回る結果となりました。
また、この機会への対応として、当社グループは長期経営計画「2035年ビジョン」に基づき、当社グループのソリューションコンセプトである”i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)”を軸に、自動化ソリューションの価値をより高めながら、AIやデータを活用したフィジカルAIの社会実装を進めることで、コア領域の競争力強化に取り組みます。さらに、新たなメカトロニクス応用領域の拡大やフィジカルAI市場の開拓を進めることで、脱炭素社会の実現に貢献する製品・サービスの提供を拡大していきます。
さらには、安川グループ経営理念の理解深化を加速させながら、ソリューションコンセプトi3-MechatronicsをAIによってさらに進化させるとともに、データによる経営の最適化、ものづくりの革新、現場(社会)への実装を実現する新たな世界“i3-Singularity(アイキューブ シンギュラリティ)”を広げ、持続可能な社会の発展と企業価値の向上を目指します。

リスク
/機会
移行
/物理
要因 影響 時間軸 財務影響
2035年度 2050年度
1.5℃ 4℃ 1.5℃ 4℃
リスク 移行 炭素価格
  • ・各国政府による炭素税の導入による、燃料調達コストや材料調達コストの増加
中~長期 中 小 小 小
各国の炭素排出政策
  • ・排出権取引の導入や排出規制の強化に伴い、グリーン電力購入等のコスト増加
中~長期 中 小 中 小
省エネ、低炭素化
  • ・電動化、EV化等に伴う関連資材不足等による価格高騰および入手困難による生産影響
中~長期 大 小 特大 小
リサイクル規制
  • ・プラスチック規制等により、代替材料等採用に伴うコストの増加
中~長期 小 小 小 小
低炭素技術の普及
  • ・省エネ要求の高まりを背景とした、製品の省エネ性能競争激化によるR&D等投資コストの増加
中~長期 大 小 大 小
投資家、
顧客の行動変化
  • ・環境対応が進んだ企業への選好の発生による対応コストの増加
  • ・情報開示、調達に関する環境配慮の対応遅れによる企業評価の低下およびビジネス機会損失
中~長期 小 小 小 小
物理 平均気温の上昇
  • ・自社工場の空調エネルギー増加によるエネルギーコストの増加
中~長期 小 中 小 中
異常気象の激甚化
  • ・台風・竜巻・洪水による、操業停止・生産減少・設備の復旧への追加投資
短期 特大 特大 特大 特大
機会 移行 省エネ、低炭素化
  • ・省エネの必要性が高まり、FA機器および産業用インバータの需要が増加
  • ・工場・設備の生産性向上・省エネ性能を高めるソリューションのビジネス機会が拡大
  • ・FIT政策のインセンティブ等により、再生可能エネルギーの需要が拡大
  • ・EVの普及に伴い、EV関連電気製品の需要が拡大
短~長期 特大 小 特大 小
投資家、
顧客の行動変化
  • ・環境貢献ビジネスの拡大により投資家の評価が向上し、ESG投資の増加、企業価値の向上
短~長期 小 小 小 小
  • 評価における「小」「中」「大」「特大」の定義
    ・小:1億円未満、中:1~10億円、大:10億円超~100億円、特大:100億円超
  • 時間軸の定義
    ・短期:1年以内、中期:3~4年以内、長期:10年以内
  • シナリオ分析に用いた主なシナリオ
  • ・主に移行リスクを分析するために使用 IEA※6:NZE※7、STEPS※8
    ※6 国際エネルギー機関
    ※7 2050年までにネットゼロを達成するシナリオ
    ※8 すでに公表済みの政策によるシナリオ
  • ・主に物理的リスクを分析するために使用 IPCC※9:SSP1-1.9※10、SSP5-8.5※11
    ※9 気候変動に関する政府間パネル
    ※10 世界の平均気温を産業革命以前より1.5°C未満に抑える目標を達成するためのシナリオ
    ※11 世界の平均気温が産業革命以前より4℃前後上昇するシナリオ

<リスク・機会への対応策>

シナリオ分析で特定した気候関連リスク・機会に対する主な対応策は以下のとおりです。

①脱炭素政策への対応(対象:炭素価格、各国の炭素排出政策)
  • ・省エネ設備の導入およびエネルギー管理システムの活用によるエネルギー消費の削減
  • ・太陽光発電設備の導入
  • ・サプライヤーとの連携強化による環境負荷の低い材料・燃料の採用
  • ・インターナルカーボンプライシング制度を活用した高効率設備への更新
②原材料・技術リスクへの対応(対象:省エネ・低炭素化、リサイクル規制、低炭素技術の普及)
  • ・安定供給が可能なサプライヤーとの長期契約の締結
  • ・製品の小型化による資材・材料使用量の削減
  • ・省エネ性能に優れた製品・ソリューションの開発
③気候変動の物理リスクへの対応(対象:平均気温の上昇、異常気象の激甚化)
  • ・省エネ設備の導入およびエネルギー管理システムの活用によるエネルギー消費の削減
  • ・太陽光発電設備の導入
  • ・事業継続計画(BCP)の策定および運用
  • ・防災設備の導入および防災訓練の実施による対応力の強化
  • ・止水板・土のうの設置や重要設備の高所配置等の浸水対策
④事業機会の拡大(対象:省エネ、脱炭素化)
  • ・高効率なFA機器や産業用インバータの開発によるお客さまのエネルギー消費削減
  • ・「i3-Mechatronics」の推進によるスマート工場化ソリューションの提供
  • ・パワーコンディショナの開発による競争力の強化
  • ・ロボットの省エネ性能向上、生産リードタイムの短縮および直行率向上(不良削減)を通じた単位生産当たりのエネルギー消費削減
  • ・ロボット活用による生産効率向上・稼働時間短縮を通じた照明・空調負荷の低減
  • ・当社製品にAIを融合させ、自動化が困難だった領域で新たな自動化を実現(フィジカルAI市場)
  • ・データセンタ向け設備投資の増加に対応した、モーションコントロール製品およびドライブ製品の拡販

リスク管理

当社グループは、直接的または間接的に当社グループの経営あるいは事業運営に支障をきたす可能性のあるリスクに迅速かつ的確に対処するため、取締役会の下に「リスクマネジメント委員会」を設置しております。同委員会は、リスクマネジメントおよび危機管理を担当する役員を委員長とし、全社的なリスク管理体制および仕組みの整備、推進、監督を担っております。気候変動に関連するリスクについても、同委員会において評価、管理を行い、また危機発生時には危機のレベルに応じた対策本部を設置し、適切な対応を実施します。
リスクマネジメント委員会の内容については、取締役会、経営会議およびサステナビリティ委員会においても情報共有が行われ、全社のリスク管理について監督およびモニタリングを実施するとともに、リスク評価とマテリアリティ分析の整合性を図ることで、全社におけるリスク管理の強化を図っております。

指標及び目標

当社グループは、気候変動に係るリスクおよび機会を管理し、世界共通で取り組むべき課題である気候変動問題へ対応するため、2050年度に当社グループのグローバルの事業活動に伴うCO2排出量(Scope1+Scope2)を実質ゼロ(カーボンニュートラル)とするとともに、そのマイルストーンとして2030年度の同CO2排出量を2018年度比で51%削減する目標「2050 CARBON NEUTRAL CHALLENGE」を設定しております。さらに、サプライチェーンの上流や下流のCO2排出量(Scope3※12)に対しても2030年度の同CO2排出量を2020年度比で15%削減する目標を設定しております。
本マイルストーンは、2023年1月にSBTイニシアチブ※13から世界平均気温を産業革命の前と比べて1.5℃未満の上昇に抑えるための科学的根拠に基づいた目標であるとして認定されました。
また、当社はコア技術であるパワー変換技術を活用した世界最高性能を誇るインバータなどの製品供給を通じ、世の中のCO2排出量削減に貢献するため、2035年度に当社製品によるCO2削減貢献量を当社グループによるCO2排出量の200倍以上とする目標「CCE200※14」を掲げて事業活動に取り組んでおります。
これらの目標の達成に向けて、当社ではインターナルカーボンプライシング制度(社内炭素価格:5,000円/t-CO2)を導入し、積極的な環境投資を進めております。
当社は、これら目標の設定や取組みを踏まえ、より一層の環境に配慮した事業活動を継続していくことにより、持続可能な社会の実現への貢献と企業価値の向上を図ります。

  • ※12 Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
  • ※13 Science Based Targets initiative:企業のCO₂削減目標が科学的な根拠と整合したものであることを認定する国際的なイニシアチブ
  • ※14 Contribution to Cool Earth 200

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