海外の関係会社を含めグローバルで環境への取り組みを加速するため、2015年度にグループ環境方針を制定しました。
安川グループは、経営理念に基づき、地球環境保全が人類共通の最重点課題の一つであるとの認識に立ち、企業活動のあらゆる面で環境に配慮して積極的に行動することにより、持続可能な社会の実現に貢献します。
事業活動(グリーンプロセス)における環境負荷は従来以上に低減するとともに、当社技術力をもって製品の環境性能を高め、製品(グリーンプロダクツ)により世の中の環境負荷を低減することで更なる貢献を果たします。
気候変動がグローバルで様々な影響を及ぼすことが問題となる中、当社コア技術であるパワー変換技術等を活用した製品を通じたCO2排出削減を中心に、多面的な環境活動により持続可能性を追求し、企業価値向上を図ります。

当社は、長期経営計画「2035年ビジョン」(2026年度~2035年度)および、その最初の4年間を対象とする中期経営計画「Dash 35」(2026年度~2029年度)をスタートしました。これに合わせ、新たな環境中長期計画の目標を策定し、これまで以上に環境課題への取り組みを強化します。
| 分類 | 指標 | 対象範囲 | 中期目標 2029年度 |
長期目標 2035年度 |
|
|---|---|---|---|---|---|
| グリーン プロセス |
CO2 | CO2排出量削減率*1 (2018年度比) |
安川グループ | 46% | 72% |
| CO2フリー電力比率 | 安川グループ | 55% | 75% | ||
| 廃棄物 | 廃棄物排出量売上高原単位削減率 (2025年度比) |
安川グループ | 4% | 10% | |
| 最終処分率 | 安川電機 | 1%以下 | 1%以下 | ||
| プラスチック廃棄物の有効利用率 | 安川電機 | 95%以上 | 95%以上 | ||
| 水 | 取水量売上高原単位削減率 (2025年度比) |
安川グループ | 10% | 30% | |
| グリーン プロダクツ |
製品を通じたCO2削減貢献量 (2026年度以降累計) |
安川グループ | 120百万トン | 290百万トン | |
| 製品の環境規制対応 | 安川グループ | 100% | 100% | ||
| マネジメント | 事業所の環境法規制遵守 | 安川グループ | 100% | 100% | |
| 環境負荷データの取得率*2 | 安川グループ | 95% | 95% | ||
| その他 | CCE200 | 安川グループ | 130倍 | 200倍 | |
*1 Scope1+2
*2 エネルギー・水・産業廃棄物
| 環境中期計画2025年度目標 | 2025年度 結果 | 自己評価 | ||
|---|---|---|---|---|
| グリーン プロセス |
CO2排出総量削減 | 30%(2018年度比) | 35% | ○ |
| CO2フリー電力比率 | 75%(安川電機単体) | 85% | ○ | |
| 廃棄物排出量削減 | 2018年度実績 (3,986t)以下に削減 |
3,300t | ○ | |
| 水の適正管理 |
水使用量削減(安川電機単体) 2022年度実績 (169千m3)比1%削減 |
167千m3 | ○ | |
| グリーン プロダクツ |
製品を通じた CO2排出量抑制 |
12,000万トン (2016年度以降累積) |
16,663万トン | ○ |
| RoHS指令対応 | 100% | 100% | ○ | |
| マネジメント | グループEMS 統括機能範囲拡大 |
環境影響負荷比99%以上 | 96% | △ |
自己評価 :◎目標達成度130%以上、○目標達成度100%以上、△目標達成度50%以上、×目標達成度50%未満
当社グループの環境経営は、事業活動(グリーンプロセス)における環境負荷低減と、当社製品(グリーンプロダクツ)を通じた世界中のお客さまの環境負荷低減への貢献を両輪として推進しています。特に、気候変動への対応がグローバルな喫緊の課題であるとの認識のもと、2025年度に当社製品によるCO2削減貢献量を当社グループのCO2排出量の100倍以上とする「CCE100(Contribution to Cool Earth 100)」を目標に掲げ、環境経営を推進してきました。2025年度のCCE100の実績は101倍となり、目標を達成しました。
この成果を踏まえ、2026年度から開始する新環境中長期計画では、気候変動対応への貢献をさらに加速するため、新たな指標として「CCE200」を設定します。グリーンプロダクツのさらなる普及拡大と事業活動における脱炭素化の推進を通じて、2035年度に当社製品によるCO2削減貢献量を当社グループのCO2排出量の200倍以上とすることを目指し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に貢献していきます。

当社および関係会社ではこの推進体制のもとで、”全社環境推進委員会”で審議・決定された全社方針、実施計画により環境活動を推進しています。
グループ環境方針を各関係会社の環境目標に取り込み、事業内容に沿った環境活動を実施しています。
当社では、1998年から生産事業所でのISO14001(環境マネジメントシステム)の認証取得を開始し、2014年には国内生産事業所での統合認証を取得しました。*1
またグループ企業の認証取得も拡大しており、今後もISO14001を基盤として環境経営をグローバルに推進していきます。
ISO14001について2025年度は安川電機の全生産拠点(5拠点)で認証を取得し、グループ全体では27拠点中16拠点が取得済みです。
| 生産拠点数 | 取得数 | 取得率 | |
|---|---|---|---|
| 安川電機 | 5 | 5 | 100% |
| 安川グループ | 27 | 16 | 59% |
*1 当社のISO14001適用範囲:入間事業所、八幡西事業所、中間事業所、行橋事業所、八幡東事業所の各部門および構内関連企業における事業活動・製品およびサービスの全ての段階
グループ企業のISO14001認証取得の状況当社は、環境マネジメントシステムの有効性向上と環境リスク低減を目的に、支社・支店・事業所および関係会社を対象とした環境監査を実施しています。監査では、環境法令・社内規則の遵守状況、環境計画の進捗状況、CO2削減、廃棄物管理、化学物質管理、グリーン調達などの取り組み状況を確認し、継続的な改善につなげています。
2025年度は、安川電機の7拠点およびグループ会社2社で環境監査を実施しました。
当社では、環境に関連する法律や規制の遵守を徹底するため、各事業所に適用される法規制の確認、対応すべき内容と実施方法について社内規定を定め、ISO統括事務局および各事業所推進事務局による遵守確認を実施しています。2025年度、当社における法律や規制への違反および罰則の適用はありませんでした。また、外部へ悪影響を及ぼすおそれがある公害等の発生もありませんでした。
当社では、廃棄物の排出事業者責任を重視し、生産事業所が契約する廃棄物収集運搬業者及び処理業者の現地確認を全社共通のチェックシートを用いて実施しています。2025年度までに契約業者の法令違反はありませんでした。今後も継続して実施して行きます。
安川グループでは、ステークホルダーとの相互理解を深めるために、環境活動について情報開示と積極的なコミュニケーションに努めています。また、統合報告書やWEBサイトなどの媒体を通じて、環境への取り組みや考え方などを広く発信しており、今後も強化していきます。

安川グループの取り組みや環境負荷データ等について、CDPによる気候変動・水セキュリティに関する調査、日経リサーチ社による「SDGs経営」調査をはじめ、行政機関や業界団体など、様々なステークホルダーに対して情報開示を積極的に進めています。
なお、算定した温室効果ガス排出量(スコープ1、2、3)の信頼性向上のため、SGSジャパン株式会社による第三者検証を受けています。
安川グループは電機製品・システムの製造、販売、エンジニアリングなどの事業のために、電気やガスなどのエネルギーと部品・材料や水などの資源を使用し、結果としてCO2や廃棄物などを排出しています。下図は生産・販売活動での環境負荷の状況を表しています。

環境負荷情報総括(2025 年度)
【データ対象範囲】安川電機、安川電機事業所内のグループ会社と協力会社

また、国内外のグループ会社による事業活動でのエネルギー使用量、CO2排出量、廃棄物・有価物の発生量の管理を行っています。対象は、エネルギー使用量の多いグループ会社を管理範囲としています。
右のグラフは安川グループの2025年度エネルギー起源CO2排出量および廃棄物・有価物発生量を示しています。
北九州市の八幡西事業所「ロボット村」では、電力由来のCO2排出量を2021年度にゼロにする取り組み「Clean Power 100 Project」を進めてきました。
ロボット村は、エネルギーを「つくる」、「ためる」、「ひろう」、「へらす」、「賢くつかう」の5つの視点を取り入れ、さらに自社の環境配慮技術を積極的に取り込んでいます。
2021年春に開業した安川テクノロジーセンタにおいても、建物の優れた環境性能に加え、70台を超えるインバータ、マトリクスコンバータ、IPMモータなどの自社環境配慮製品の導入、太陽光発電の設置など、環境配慮技術を導入してエネルギー使用の効率化を図っています。
さらに、CO2フリー電力の導入を進めた結果、ロボット村の電力由来のCO2排出量ゼロを実現しました。
ロボット村で活用されている環境技術については、安川電機みらい館に見学に来られたお客さまにわかりやすく紹介しています。

*2 「ロボット村」は安川電機の登録商標

ロボット村は自社技術を用いた省エネ活動が評価され、平成27年度省エネ大賞において、省エネ事例部門で省エネルギーセンター会長賞を受賞しました。また、製品・ビジネスモデル部門では「安川マトリクスコンバータU1000」が経済産業大臣賞を受賞し、ダブル受賞となりました。
安川電機本社棟は、平成29年度カーボンニュートラル大賞*3を受賞しました。竣工後も省エネ運用を徹底し、標準ビルに対してエネルギーを76%削減していることが評価されました。
また、本社事業所は、日頃の省エネ活動が評価され、令和元年度エネルギー管理優良工場等表彰において九州経済産業局長賞を受賞しました。
*3 建築設備技術者協会が、毎年実施している表彰制度。建物のCO2排出量をゼロに近づける「カーボンニュートラル化」社会構築への貢献を目的としている。

エネルギー管理優良工場等の表彰状と盾
当社は、日本の脱炭素社会の実現を目指す企業・自治体・団体のネットワーク Japan Climate Initiative(JCI) に参画しています。JCIは2018年に設立され、現在800以上の団体が参加する気候変動対策ネットワークです。JCIはこれまでに国際水準のカーボンプライシング導入や1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本政府に求めるなどの政策提言を行い、脱炭素化に向けた議論をリードしてきました。当社は、JCIへの参画を通じて、環境負荷低減と持続可能な社会の実現に向けた取り組みをさらに強化します。
当社は、CMPコンソーシアムに参画しています。CMPコンソーシアムは、含有化学物質情報および資源循環情報を川上から川下につなぐ情報伝達システムであるChemical & Circular Management Platform(CMP)ならびにchemSHERPAを運営し、製品に含まれる化学物質情報や資源循環情報の適正かつ効率的な管理・伝達を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献することを目的としています。当社は、CMPコンソーシアムでの取り組みを通じて、企業としての社会的責任を果たし、環境と調和した持続可能な成長を目指してまいります。