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新アーク溶接ロボットパッケージ“MOTOPAC-WEシリーズ”を一新
- 新形ロボットとデジタルインバータ溶接電源を採用 -

新製品2004年7月13日

 株式会社安川電機(取締役社長 利島 康司)は、新アーク溶接ロボットパッケージ「MOTOPACモートパック-WEシリーズ」を一新し、2004年7月13日から販売を開始します。用途最適設計の新形アーク溶接ロボット、各種アーク溶接に対応できる“最適溶接電流・電圧波形データベース”を備えたデジタルインバータ制御の新形溶接電源、デジタルサーボ制御可能の溶接ワイヤ送給装置(標準トーチ付き)を組み合わせて、市場からの要求が強まるアーク用途パッケージ商品の拡充を進め、受注拡大を図ってまいります。

  • https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2004/07/04.jpg

1.製品化のねらい

 アーク溶接ロボットは、メイン市場である自動車関連産業から、国内及び海外で異電圧対応や入力電圧変動への対応、設定した溶接条件の再現性等への対応や操作性向上に加え、溶接品質面からのスパッタレス化、複雑な寸法形状ワークの多種溶接手法への最適溶接条件制御などが強く求められています。

 当社では、これらの強いご要望にお応えして、デジタル化により最適溶接条件制御を可能にし、そのためのデータベースを備えたデジタルインバータ制御のアーク溶接電源2機種(350A仕様、500A仕様)をシリーズ化しました。また入力電圧変動±10%に対し出力電圧変動を±1%以下に低減したことで電源電圧変動による溶接不良を解消しました。

さらに、用途最適設計の新形アーク溶接ロボット“MOTOMANモートマン)”を組み合わせて、ロボットが持つアーク用途最適設計の特長を生かし、アーク溶接ロボットパッケージ「MOTOPAC-WEシリーズ」の内容を一新しました。

2.主な特長

 (1) データベースを持った溶接電源で複数台の専用電源を1台に統合
 高速デジタル信号処理を応用して、溶接電流・溶接電圧の指令を行うことで、溶接方法や溶接素材の材質、寸法形状などの溶接条件に適した溶接電流、溶接電圧波形を形成することができ、これらの最適な溶接条件を“溶接データベース”として内蔵しています。このデータベースにより、多種多様な溶接手法に対応するため複数台必要であった専用溶接電源も1台の溶接電源で対応できます。
 (2) 溶接工程全体でのスパッタレス化を実現
 溶接ワイヤ送給装置をデジタルサーボ制御することによって、溶接ワイヤ送給スピードの最適化が図れます。また高速デジタル信号処理による電流・電圧波形の高速制御と、最適な溶接条件を“溶接データベース”として内蔵することと相まって、従来の課題であったパルス溶接でのアークスタートとエンド(溶接終了)時のスパッタレス化、アルミニウム材溶接時のスタート時における溶け込み不良やエンド時の割れ防止を実現できました。さらに溶接中のスパッタレス化も可能となり、良好な溶接品質を得ることができるようになりました。
 (3) 広電流帯域の500A仕様デジタルインバータ電源のラインアップ
 「MOTOWELD(モートウエルド)-E500III」は、1mm薄板のアーク溶接から、速度2m/分の高速アーク溶接、500Aの大電流溶接まで、広範囲の電流帯域(50A〜500A)での、さまざまな溶接手法を実現しました。また鉄やステンレス、アルミニウムといったさまざまな材質への対応も行っており、各種溶接シールドガス*1を使った溶接手法にも対応しています。このように非常に幅広くアーク溶接用途に対応した電源です。
 (4) 新形ロボットシリーズの採用
 先に販売を開始し好評を得ております新形ロボットシリーズを組み合わせることで、さらに使いやすい溶接パッケージをご提供します。新形ロボットには、アーク溶接用途に最適化されたMOTOMAN-EAシリーズがあり、その特長であるケーブル内蔵アームは、いままでロボットアーム外側にあった溶接トーチまでのケーブル類が引き起こす干渉問題を解決し、狭い空間や箱物ワークなどの溶接を容易にします。さらにロボット後部動作範囲の拡大や動作速度のアップも図られており、大幅に生産性を向上させるパッケージ構成となっています。

3.主な用途

 自動車、オートバイ、自転車、建材などの製造における軟鋼、ステンレス、アルミニウム材質部品のアーク溶接や、建設機械、農業機械等の機構部品のアーク溶接用途

4.販売計画

 (1) 販売開始 2004年7月13日
 (2) 販売計画 1800セット/年
 (3) 販売価格 構成例が以下の場合:480万円/セット
       ・マニピュレータ:「MOTOMAN-EA1400N」
       ・コントローラ:「NX100」(ロボット制御装置)
       ・フルデジタル溶接電源:「MOTOWELD-E500III」
       ・溶接ワイヤ送給装置(標準トーチ付き)
 なお、来る7月14日(水)〜17日(土)にインテックス大阪(大阪国際展示会場)で開催される「2004国際ウエルディングショー」において、「アーク溶接ロボットパッケージWEシリーズ」として、アーク溶接の実演、展示を行います。

【文中語句説明】
*1 溶接シールドガス
  溶接時、大気中からの酸素や窒素の溶接部への浸入を防ぐ目的で流す気体のこと。
使用される気体としては、炭酸ガス、炭酸ガスとアルゴンガスの混合ガス、アルゴンガスなどがある。

[お問い合わせ先]
株式会社 安川電機
ロボティクスオートメーション事業部
事業企画部 課長補佐 安高(アタカ) 博之
Tel.(093)645-7703
Fax.(093)631-8140

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