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コンパクトなオゾン水処理装置を開発
-省スペース&エコノミーで水の循環利用をお手伝いします-

新製品2003年7月23日

 株式会社安川電機(取締役社長 中山 眞)は、下水処理水の再利用などに用いることができるオンサイト・オゾン水処理装置を開発しました。本装置はオゾン反応塔と排オゾン分解装置を小型化しワンベース上に配置することで装置全体がコンパクトにまとまっています。その結果、イニシャルコストとメンテナンスコストの低減、容易な搬送と設置、工期の短縮など、多くのメリットが期待できると考えています。今後事業化に向けた取り組みを進めていきます。

 

  • https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2003/07/10.jpg

1.開発のねらい

 水不足の解消や豊かな水環境への要求が高まるなか、下水処理水の再利用の必要性が高まりつつあります。政府も様々な施策を通じて水の循環利用を拡大しようとしています。
そうしたなかでトイレ用水等の雑用水や公園のせせらぎ等に処理水を再利用する手法として、オゾン処理は有効な手段の一つです。しかしながら他の処理方法と比べるとオゾン処理には省スペース化と低コスト化という課題がありました。
当社は装置の大幅な小型化によって、これまでの課題を解決したコンパクトなオゾン水処理装置を開発しました。

2.特長

 オゾンの溶解手段にエゼクタ*1を、排オゾンの分解処理に熱分解方式*2を採用することで、反応設備を大幅に小型化しました。さらに、オゾン計装制御設備と反応設備を各々一体化することで、狭小スペースへの設置や工期短縮が可能になります。

 

2.1 2つの工夫による反応設備の小型化
(1) 反応塔の小型化
オゾンの溶解手段にエゼクタを採用し、かつ最適な反応条件を設定することでオゾン反応効率を飛躍的に向上させました。その結果オゾン反応塔は従来の散気管方式に対して約1/6に小型化(当社比)しました。

 

(2) 排オゾン分解処理設備の小型化
排オゾンの分解処理に低電力でコンパクトな熱分解方式を採用しました。
2.2 設置が簡単
オゾン計装制御設備と反応設備を各々コンパクトに一体化しワンベース上に配置しましたので、工場で製作・試験後そのままトラックで搬送できます。そのため、現地での据付工事や試験が簡単になり、工期を短縮できます。

2.3 メンテナンスコストの削減
(1) 従来の散気管は、長期間使用すると目詰まりが発生し性能が低下するため定期交換の費用が必要でしたが、当社はエゼクタを採用していますので目詰まりがなく、定期交換は不要です。

(2) オゾンを分解する方法として、触媒や活性炭を用いる方式は定期交換が必要でしたが、当社の熱分解方式は定期交換が不要です。

3.装置の主な用途

(1) 下水処理水の再利用(修景・親水、トイレ・洗車などの雑用水)
(2) 下水処理場の臭気除去
(3) 将来:他分野への展開(工業分野、食品分野など)

4.販売計画

(1) 販売開始:2004年度より販売を予定
(2) 販売目標:10セット/年を予定

 

[文中語句説明]
*1 エゼクタ:
加圧水をノズルに送ってノズル部分に負圧をつくることにより、気体を液体中に引き込み、混合させる装置。
*2 排オゾンの熱分解方式:
オゾンが高温で分解する性質を利用して、オゾン反応塔からの排ガスを加熱することで排オゾンを分解する方式。
なお本装置は東京ビッグサイトで開催される下水道展’03東京 [ 2003年7月22日(火)〜25日(金) ] で参考出展しています。

 

[お問い合わせ先]
株式会社 安川電機
システム工場 技術部 新規事業担当
課長 杉井 隆造
Tel. (0930) 25-2108
Fax. (0930) 23-3402

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