新製品2025年7月29日
株式会社安川電機(本社:福岡県北九州市、代表取締役社長:小川 昌寛)は、現在、市場から高い評価をいただいている多用途適用型小型ロボットMOTOMAN GPシリーズの新たなラインアップとして、省スペースや軽量さを維持しながら動作領域と可搬重量を拡大したMOTOMAN-GP10(可搬質量10kg、最大リーチ1101mm)の販売を開始します。
MOTOMAN-GP10
近年、生産年齢人口が減少し深刻化する労働力不足を背景に、自動車産業のみならず物流や三品市場(食品、化粧品、医薬品)といった一般産業分野においても、設置が容易な小型ロボットを活用した自動化が強く求められています。そこで、スリムなアーム構造と小さい設置スペース、軽量さから市場で高い評価をいただいているMOTOMAN-GP7/GP8の動作領域と可搬重量を拡大したMOTOMAN-GP10を製品化しました。これまで以上にお客さまの生産性向上や製造コスト削減などのニーズにお応えします。
また、単なる従来機種の高可搬化ではなく、安川電機が産業用ロボットの設計で培ってきた省スペース化や耐環境技術、高精度動作技術を用いることで、これまでの小型機種ラインアップの拡充では対応が不十分であった領域での自動化に貢献します。
(1) 省スペース対応と可搬・ロングリーチの確保
MOTOMAN-GP7/8と比較し、同一のフットプリントサイズに抑えながら、1101㎜のリーチを実現し(GP8 :8kg可搬・リーチ727mm , GP7: 7kg可搬・リーチ927mm)、より高可搬かつスリムなアーム構造を確保しました。
また、モータ・ケーブルを内蔵したフルカバー構造で周辺機器との干渉をより低減しています。コンパクトサイズのため、既存施設への新規導入や大量生産施設へ省スペースでの設置が可能なことに加え、AGV/AMRへの搭載も可能です。
(2) 高精度な動作を実現
小物部品組立てや工程間搬送には、繊細なワークの保持や、正確な位置への搬入・搬出が必要なケースがあります。本製品は、以下の特長を生かして高精度な動作を実現し、お客さまの製品を確実かつ安全に扱います。
■特長
・最適モータおよび最適減速機の採用
・トポロジー解析手法※によって、高精度動作に不可欠なアームの高剛性と軽量化を達成
・小型機種ではこれまで設定のなかった絶対精度補正機能を標準採用することで、軌跡精度を向上
※トポロジー解析手法:構造物の形状を最適化する手法で、構造的に必要な部分のみ抽出し不要な部分を削ぎ落とすことで材料の配置を最適化し、強度を維持しつつより少ない材料で最適な形状を導き出す手法。
(3) フルカバータイプによる高耐環境性の実現
MOTOMAN-GP10は、マニピュレータ全体において保護等級IP67の水没に対する防じん 防滴性能を有し、多様な生産環境に対して柔軟に対応できます。例えば、工作機械周辺のマシンテンディング(機械へのワークの投入や取出し)、品質テスト、バリ取り、機械加工部品の洗浄などにおいても、作業中の破片や液体にさらされ続ける危険な環境から作業者を解放します。
(4) イーサネットケーブルを標準装備
標準仕様にイーサネットケーブル(Cat6A対応)を内蔵しているため、多様なアプリケーションに対応できます。例えばワークのピッキングシステムや検査工程等に応用される、手先のハンドおよびカメラ等を使用したトラッキング、2Dまたは3Dビジョン、スキャンアプリにも対応可能です。
小型部品の組立て、工程間搬送、箱詰め、仕分け、検査など
(1)販売時期 2025年7月29日(火)
(2)販売価格 オープン価格
<通信ネットワークの商標に関する注記>
Ethernet(イーサネット)は富士フイルムビジネスイノベーション株式会社の商標です。
【お問い合わせ先】
株式会社 安川電機
ロボット事業部 事業企画部 製品管理課
西村 柾紀
TEL:093-645-8134