自動車・自動車部品

産業用ロボットはもともと自動車産業での活用で発展してきた歴史があります。今でも産業用ロボットの適用分野に占める当社の自動車向けの割合は50%以上で、溶接・組立て・塗装などのあらゆる工程で使われています。

例えば自動車ボディーの下側やマフラーそしてシートの骨組はアーク溶接ロボット、ボディーの側面や天井の接合にはスポット溶接ロボット、塗装には塗装ロボット、シートやウィンドウの取付けにはハンドリングロボットといった具合に工程に合わせて様々なモデルが活躍しています。特に自動車工場のメインラインでボディーをたくさんのスポット溶接ロボットが取り囲み一気に溶接していく様子は圧巻です。

自動車組付け

近年では欧米諸国を中心とした環境規制の強化やエコへの意識向上に伴って電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、燃料電池車(FCV)などが普及してきています。これらの低燃費性能の実現のためにボディーの素材は鉄からアルミニウムやハイテン(高張力鋼板)など軽量で高機能なものに移行しています。また大容量のバッテリーを生産するための新しい技術も要求されてきており、当社でもこれらの技術トレンドに合わせた新製品やアプリケーションの開発を進めています。

電気・電子機器

電気・電子機器は通信機器(Communication)、コンピューター(Computer)、家電(Consumer Electronics)の頭文字をとって”3C”とも呼ばれています。このような電気・電子機器の生産にも様々な工程で産業用ロボットが適用されています。

例えば、基板への小さな電子部品の実装や機器を収納する筐体の溶接・塗装、筐体への基板や部品の取付けなどです。出来上がった製品の試験、さらに梱包された製品の箱詰めやパレットへの積付けなど、生産の上流工程から下流にあたる試験・出荷にわたるほぼすべての工程で産業用ロボットが活躍しています。

電気・電子機器は製品が小さいものが多く、さらに生産工程が密集しているため従来の産業用ロボットでは適用が難しいという課題もありましたが、人と一緒に作業ができる人協働ロボットが登場したことでそのような課題も克服し、活用の幅が広がっている分野の一つです。

電気・電子機器 電気・電子機器

FPD(Flat Panel Display)・半導体製造装置向け

パソコンやスマートフォン、薄型テレビなどに使用するFPDには薄いガラス板(ガラス基板)が使用されています。このガラス基板上に、映像を映し出すためのパターンやフィルタを形成していくための様々な工程がありますが、この工程と工程の間でガラス基板を搬送したり、加工装置へガラス基板を出し入れしたりする際に産業用ロボットが導入されます。

FPD製造工程では、FPD複数台分を1枚にまとめた大きなガラス基板(厚さがコンマ数mm程度で大きなものでは3m×3m以上)を使用します。そのため、このような重量がありかつたわみやすいガラス基板を高速で搬送するタイプのロボットが要求されます。また、ごくわずかなチリやほこりでも品質に直接影響してしまうので、工場内は非常にクリーンな環境で、ロボット本体もわずかなチリやほこりを出さない高いクリーン性能が求められます。

(Flat Panel Display)・半導体製造装置向け

一方、半導体製造工程では、高純度のシリコン単結晶から作られた薄い円盤状のシリコンウエハを加工していきます。このシリコンウエハに回路のもととなる薄膜層の形成、回路パターンの転写、エッチング、洗浄、検査といった工程を繰り返して、ダイと呼ばれる半導体チップを形成していきます。一つのシリコンウエハには数百個ものダイが形成されます。そしてシリコンウエハ上のダイを一つずつ切り分け、パッケージングし、最終検査を経て完成です。

産業用ロボットはこれらの各工程の製造装置にシリコンウエハを出し入れする搬送に使用されます。当然ながら、搬送が速いほどたくさん生産できコストも下がりますが、半導体製造は非常に高い精度も要求されますので、絶対位置精度が0.05mmと高速・高精度な性能を有しています。また、FPD製造工程と同様にチリやほこりが品質に直接影響をするために、工場内は非常なクリーンな環境に保たれています。

バイオメディカル

研究所や医薬の現場では分析や品質試験といった工程がありますが、使用する機器の種類が多いうえに、作業には熟練技が必要なこと、そもそも衛生管理下で使用できる産業用ロボットがなかったため自動化がなかなか進んでいませんでした。

そこで当社では衛生管理下で高精度な動きが可能なバイオメディカル用途向けロボットを開発し、実験・解析の前処理、抗がん薬調製作業、各種菌検査などの分野で自動化の幅を広げています。テスト前の試薬の調合などは前処理の単純作業が産業用ロボットに置き換えられ人間が作業する必要がなくなると、研究者の方たちは試験そのものに集中でき、その効率は格段にあがります。抗がん薬のような劇薬に触れないようになることで安全性を確保することができます。この他にもiPS細胞の培養、ゲノム等の分析の前処理、微生物の有無を調べる検査など活用の幅が広がっています。

産業用ロボットのボディーは過酸化水素水でふき取り洗浄が可能なように表面がツルツルになっていて、当社では双腕で人間と同じように作業ができるモデルや、単腕のモデルなどを用意しています。

biomedical

食品

食品工場では、食品そのものを作る以外にもパッケージングやラベルの貼り付け、検査に出荷のための段ボール箱への箱詰め、段ボール箱の積付けといった様々な工程があり、それぞれに適したロボットが活躍しています。特に、食品そのものを加工する工程では、直接口に入るものを扱うために、ロボットに要求される仕様も特別なものになります。例えば、清掃しやすく衛生をたもてるような表面塗装や口に入っても無害な食品用機械専用の材料の採用などです。また水がかかるような環境では、防滴や防錆対策が要求されることもあります。

例えば板状のチョコレートを大量に作る工場などでは、コンベヤに大量のチョコレートがばらばらの状態で高速で運ばれてきますので、カメラでコンベヤの上のチョコレートを検出し、移動するチョコレートを正確につかみ取る高速動作が可能なロボットが求められます。そのために、パラレルリンクと呼ばれる特殊な構造のロボットが採用されています。

さらに、最近では中食市場の拡大によってコンビニエンスストアやスーパーのお弁当やお総菜の具材詰め、蓋閉めといった作業に適用されるケースも出てきています。人協働ロボットは作業員の隣でトレーを搬送し、安全柵を設置できないような限られたスペースでの設置が可能で、これから活用が広がっていくことが期待されています。

箱詰め ラベル貼り付け

物流

ECサイトなどオンライン通販の需要が高まり、流通倉庫や食品倉庫などでは、仕分けや段ボール搬送などを行うハンドリングロボットの需要が急増しています。段ボール箱を積み上げたり、積み上げられた段ボール箱を荷下ろしたりするような作業は動きが限定的なので、専用の構造をしたモデルが開発されています。また、物流倉庫ではサイズの異なる大量の荷物を素早く仕分けすることが要求されます。そのためにCADを用いたソフトウェアで大きさを瞬時に判断するコントローラの技術開発などを他社と共同で行っています。

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