技術論文 2025 No.3
3レベルインバータの中性点電圧安定化に向けた同期モータ軽負荷駆動時の界磁電流制御

猪又健太朗 井脇隆議 山﨑明 蛭子譲治∗∗ 福丸伸吾∗∗ 森本進也∗∗∗

技術開発本部 基礎技術開発統括部 ドライブ技術開発部
∗∗インバータ事業部 技術部
∗∗∗技術開発本部 技術連携推進部

2025年12月17日

 3レベルインバータは,入力P側,N側に加えて中性点Mの電圧を利用することでPWMに起因する電流リプルを低減でき,高周波駆動や低ノイズが求められる用途に適している。一方で,中性点電流の積算により中性点電圧が変動し,モータ電流ひずみやパワーデバイスの損失偏りを引き起こす可能性がある。この課題に対し中性点電圧制御が提案されているが,モータ電流が少ない軽負荷時には制御が困難となる。近年,低損失の利点から同期モータの採用が進んでいるが,無負荷時にはモータ電流がゼロになるため,中性点電圧制御性能が顕著に低下する。本稿では,軽負荷時に界磁電流成分を印加することで,モータトルクに影響を与えず中性点電圧制御性能を改善する手法を提案する。なお,本稿は「同期モータ駆動における界磁電流を用いた3レベルインバータ中性点電圧のバランス制御」(電気学会 半導体電力変換・モータドライブ合同研究会, SPC-22-165, MD-22-100, 2022.9)10)を再編したものである。

 

目次

1.まえがき P1
2.従来制御 P2
2.1PWM変調法
P2
2.2中性点電圧制御
P3
2.3中性点電圧制御の課題
P3
3.提案手法 P4
3.1界磁電流印加法
P4
3.2同期モータ制御との組合せ
P4
4.実機試験 P5
4.1試験システムの構成
P5
4.2提案手法の効果検証
P6
4.3MTPA制御との連携
P6
5.むすび P7

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