技術論文 2021 No.3
非線形摩擦特性の同定に基づく波動歯車装置の位置決め性能向上

北吉良平

技術開発本部 つくば研究所

2022年1月31日

 本技術論文は,当社のマシンコントローラとサーボモータを用いて,波動歯車装置の位置決め制御性能を向上した結果を報告することを目的としている。波動歯車装置は小型で大トルクを出力可能な優れた減速機であるが,非線形摩擦をも有しており位置決め性能の劣化の一因となる。そこで,レオロジーモデルを用いて非線形摩擦の特性をモデル化し摩擦モデルを基に,フィードフォワード(FF)制御器と位置決め整定間際の急激なトルク指令の変化を抑制するためのトルク補償器の2つを設計することで,摩擦の影響を抑制し位置決め性能の向上を実現した。レオロジーモデルのパラメータの最適値の決定は知識と経験を要する作業であるが,ベイズ最適化を用いることで入出力の時系列データから自動的に決定している。2つの制御器を合わせて用いることで位置決め開始直後と整定間際における位置誤差を大幅に低減できることを,波動歯車装置を用いて実験的に示した。

 なお,本稿は2021年度電気学会産業応用部門大会発表論文「非線形摩擦特性の同定結果に基づく高精度FF制御器・トルク補償器の設計と波動歯車装置への応用」を再編したものである。

目次

1.まえがき P1
2.波動歯車装置の非線形摩擦とレオロジーモデルを用いたモデル化 P1
2.1波動歯車装置を用いた実験装置の構成
P2
2.2レオロジーモデルの特性
P2
2.3非線形摩擦特性と線形特性の同時同定
P2
2.3.1入出力データおよび周波数応答データの取得
P3
2.3.2非線形摩擦特性と線形特性の同時同定結果
P3
2.3.3非線形摩擦特性の実測結果と同定結果の比較
P4
3.レオロジーモデルを用いたFF制御器と整定間際のトルク補償器の提案 P4
3.1レオロジーモデルを基にした FF 制御器
P4
3.2整定間際のトルク補償器
P5
4.位置決め精度改善・整定時間短縮の実機検証 P5
4.1実機検証時の動作条件と制御性能の評価基準
P5
4.2従来手法:速度方向に応じた一定値摩擦補償
P5
4.3FF制御器による始動時の指令応答性改善
P6
4.4整定間際のトルク補償器による整定時間短縮
P6
5.むすび P6

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