ユースケース
フィジカルAIは、これからどこへ広がっていくのか。安川電機は、工場だけでなくオフィスや病院、学校など、人と状況が刻々と変わる「新たな場面」での自動化に挑戦しています。それを支える「三層アーキテクチャ」の仕組みや、今後の可能性をわかりやすく解説します。
安川電機は、ロボットが活躍できる場面をどんどん広げることで、より安全で豊かな社会を実現したいと考えています。そのためにMOTOMAN NEXTで「できること」を増やしながら、これまでの自動化の枠を超えた「新たな場面」への取り組みを進めています。
これまで自動化が進んできたのは、人とロボットがはっきり分かれている場所や、決められた作業を繰り返す前提でつくられた現場でした。そこでロボットは、あらかじめ決められた作業を正確にこなす役割を担ってきました。
AIロボットによって「できること」が増えると、自動化できる対象も広がっていきます。これから求められるのは、いろんな人が出入りし、状況が刻々と変わる場所での自動化です。オフィスや病院、学校、商業施設など、人の動きやまわりの様子が常に変化する場所でも、ロボットがその場の状況を読み取り、自分で判断しながら柔軟に動くことが期待されています。
このように「できること」が増えることで、ロボットが活躍できる場は、これまでの工場のような産業用途だけにとどまらず、私たちの生活に近いさまざまな場面へと広がっていきます。安川電機は、そうした「新たな場面」でロボットが自然に社会に溶け込み、人と一緒に価値を生み出していく未来を目指しています。
安川電機は、ロボットをもっとたくさんの新たな場面で活躍させるために、“三層アーキテクチャ”という仕組みを考えました。少し難しい名前ですが、要するに「ロボットが賢く動くために役割を3つに分け、それぞれが協力して働く仕組み」のことです。
人の仕事に例えると、次の3人が力を合わせて仕事を進めるイメージです。
1 全体の状況を把握する人
2 何をすべきか考えて指示を出す人
3 実際に手を動かして作業する人
1


トップレイヤ
TOP LAYER
全体の状況を把握する層
いちばん上の層(トップレイヤ)は、「全体の状況を把握する」役割です。 たとえばオフィスなら、カメラや温度・湿度センサーから集めた情報を管理するシステム。病院なら、患者さんの状態や過去の記録をまとめた電子カルテがこれにあたります。

2


ミドルレイヤ
MIDDLE LAYER
判断して指示を出す層
真ん中の層(ミドルレイヤ)は、集めた情報をもとに「今、何をすべきか」を考えて指示を出す役割です。 AIが状況を分析し、「この作業はこのロボットに任せよう」と判断します。たとえば「備品が少なくなってきた」と気づくと、「棚から必要な物を取り出して補充して」といった指示を、人に話しかけるのと同じような自然な言葉でロボットに伝えます。
全体を見て判断し、適切な指示を出す、いわば司令塔の役割です。

3


ローレイヤ
LOW LAYER
実際に動く層
いちばん下の層(ローレイヤ)は、指示を受けて「実際に体を動かす」役割です。 これを担うのが安川電機のMOTOMAN NEXTです。カメラなどのセンサーでまわりの様子を確認しながら、受け取った指示を具体的な動きに変えていきます。ものをつかむ・運ぶ・並べるといった作業を、力加減や速さを細かく調整しながら正確にこなし、状況の変化にも柔軟に対応します。