Vol.82 2017年の技術の成果

巻頭言

代表取締役社長 小笠原 浩

代表取締役社長
小笠原 浩
Hiroshi Ogasawara

 2017年における当社を取巻く経済状況は,世界的には中国では景気が持ち直し,後半減速傾向に向かったものの総じて安定的に推移しました。米国では堅調な個人消費に支えられ,内需を中心とした緩やかな景気拡大を持続しました。欧州ではユーロ高による下振れが懸念されたものの輸出の拡大による緩やかな景気回復を持続しました。国内においては2016年後半からの世界経済の回復を受けて,製造業を中心とした輸出の拡大,設備投資の着実な回復基調が続き,戦後最長の「いざなみ景気」に匹敵する景気拡大を示しました。

 このような状況下,当社は創立100周年を迎えた2015年に掲げた長期経営計画「2025年ビジョン」の実現に向けた最初のステップとして,中期経営計画「Dash 25」(2016~2018年度)に取組んでいます。コア事業領域で世界一を追求するため,これまでのコア技術(サーボ,インバータ,ロボット)を更に進化・発展させるべく,「メカトロニクス事業」を軸に「クリーンパワー事業」,「ヒューマトロニクス事業」といった新領域・市場への事業拡大を目指しています。特に「メカトロニクス事業」では,新たなソリューションコンセプトである「i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」を始動しました。「i3-Mechatronics」とは「2025年ビジョン」で掲げる「新たな産業自動化革命の実現」に向け,これまでのサーボ,インバータ,ロボットなどをベースとしたソリューションに「デジタルデータのマネジメント」を加え,更に進化・実行するコンセプトです。デジタルデータソリューションを結集させトータルで提供することで,お客様に新たな価値を創造します。

 2017年の事業分野ごとの技術開発については以下のとおりです。
 モーションコントロール事業では,主力製品であるAC サーボドライブΣ-7シリーズ,マシンコントローラMP3000シリーズのラインアップを拡充し用途を拡大するとともに,世界で初めてガリウムナイトライド(GaN)パワー半導体を搭載し,ドライバとモータを統合した究極の機電一体モータであるアンプ内蔵サーボモータΣ-7F,反射型エンコーダ技術を採用し高精度・高出力要求に応えた超小型モータΣ-7mini などを製品化しました。また,クレーン専用インバータCR700を市場投入するなどアプリケーションに特化した製品開発を進めました。

 ロボット事業では,MOTOMAN-GP(ハンドリング用途)/SP(スポット溶接用途)/PH(プレス間搬送用途)シリーズのラインアップを拡充し,お客様の多様な生産ライン構成に関する要望に対応しました。また,フレキシブルな生産設備構築が容易で,小物部品などの生産自動化に最適な業界最小・最軽量ロボットMotoMINI,小型ロボットコントローラYRC1000micro,安全柵無しで設置でき,教示が容易な人協働ロボットMOTOMAN-HC10などを製品化しました。

 システムエンジニアリング事業では,世界的な潮流である自然エネルギーの活用や省エネ・活エネの推進に呼応して永久磁石式発電機を開発し,風力発電の大型化の需要に応えるなど「クリーンパワー事業」を強化しました。船舶用ドライブではDC 母線システムを開発し,船舶推進システムの電動化のニーズに応えています。

 研究開発の分野では,人と地球に優しい「ヒューマン&エコメカトロニクスの創造」を目指して,ロボット作業手順の自動最適化技術,対象物の多様なつかみ方を自ら学習するAI ピッキング機能,熟練作業のロボット化を実演する実演教示技術,双方向GaN デバイスを用いたマトリクスコンバータ技術などの開発を進めています。また,「ヒューマトロニクス事業」に向けて北九州市における「介護技術開発支援モデル事業」にて実証を進めた結果,上肢リハビリ装置CoCoroe AR2,足首アシスト装置CoCoroe AAD を製品化しました。

 当社は,今後も社会に新たな価値を創造することを目指してコア技術を更に発展進化させるとともに,IoT,AIを始めとしたネットワーク技術を駆使した安川版インダストリ4.0の実現,環境エネルギーなどのクリーンパワー事業のグローバル展開,及びヒューマトロニクス機器の開発などに取組んでいきます。今後とも新たな事業領域に挑戦し続ける当社のソリューションにご期待ください。

[モーションコントロール事業]ACサーボモータ累積出荷台数1,500万台を達成

 1983年にAC サーボモータを市場に投入して以来,国内外の顧客に広く使用され,2017年4月に累積出荷台数1,500万台を達成した。

[モーションコントロール事業]アンプ内蔵サーボモータΣ-7F モデルをラインアップ

Σ-7シリーズアンプ内蔵モータ

Σ-7シリーズアンプ内蔵サーボモータ

 AC サーボドライブΣ-7シリーズに,世界で初めてガリウムナイトライド(GaN)パワー半導体を搭載したアンプ内蔵サーボモータΣ-7F モデルをラインアップした。制御盤の小型化・省配線に加え,フットプリントを小さくできるなど,サーボシステムの更なる小型化・効率化を実現できる。

[モーションコントロール事業]AC サーボモータΣ-7シリーズにΣ-7mini モデル(SGM7M 形)をラインアップ

Σ-7シリーズΣ-7miniモデル

Σ-7シリーズΣ-7miniモデル

 AC サーボモータΣ-7シリーズに,Σ-7mini モデル(SGM7M 形)をラインアップした。

 反射型エンコーダ技術及び最適電磁部設計を採用し,電子部品製造装置市場で要求が高まっている高精度・出力向上を実現した。

[モーションコントロール事業]インバータ製品の拡充

クレーン専用インバータCR700

クレーン専用インバータCR700

 近年の産業界を取巻く環境は,モータのトップランナー規制に代表されるグローバルでのエネルギー効率規制の強化,インダストリ4.0を始めとするIoT(Internet of Things)を利用した生産性向上への関心の高まりなど,大きく変化している。

 「多才」,「使いやすさ」,「安心」をコンセプトに従来のインバータシリーズを刷新した一般産業用途向けインバータGA700のリリースに引続き,シリーズ第二弾として,クレーン用途に特化したCR700を市場投入した。クレーン用インバータの開発30年にわたる経験で培った「ブレーキシーケンス」,「斜行防止」,「荷振れ抑制」などクレーンアプリケーションに特化した機能が搭載されている。

[モーションコントロール事業]主な広報・展示会

システムコントロールフェア2017

システムコントロールフェア2017
当社ブース

2017年“超”モノづくり部品大賞 機械部品賞「Σ-7Cモデル」

2017年“超”モノづくり部品大賞
機械部品賞「Σ-7Cモデル」

2017年“超”モノづくり部品大賞 環境関連部品賞「GA700」

2017年“超”モノづくり部品大賞
環境関連部品賞「GA700」

(1) システムコントロールフェア2017(2017年11月29日~12月1日,東京ビッグサイト)では,「スマートファクトリを実現するi3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」をテーマに,スマートフォン組立ラインをイメージしたBTO(Build to Order)生産のデモ機,IoT や故障予知などを提案するサービスYASKAWA Cockpit,次世代モーションフィールドネットワークMECHATROLINK-4,Σ-7シリーズの用途専用機Σ-7FT,GA700,CR700,バッテリーレスモータ,中空モータなどを展示した。i3-Mechatronicsをキーワードに,当社のIoT やインダストリ4.0への取組みについて,多くの来場者の関心を得た。

(2) 2017年“超”モノづくり部品大賞において「AC サーボドライブΣ-7Cモデル」が機械部品賞を,「次世代産業用汎用インバータGA700」が環境 関連部品賞を受賞した。

[ロボット事業]市場の変化と当社の取組み

 ロボットの需要は,自動化によるコスト削減がこれまで主な目的とされてきた。しかし,労働力不足が喫緊の課題となった現在,その解決策として生産現場の自動化需要が急速に高まっている。また,中国経済の継続した成長に伴い,自動車関連市場のほかスマートフォンを始め,コンピュータ,家電製品,通信機器や重量物の搬送といった幅広い分野でロボットの需要が拡大している。

 このような市場の変化に対し,当社はグローバルで顧客アプリケーションを事前に導入検証できるロボットセンタの運営を行い,顧客が抱える課題に対して最適なソリューションを迅速に提供できるような取組みを強化している。

 中国においては,大手スマートフォン関連機器メーカである深圳市長盈(シンセンチャンイン)精密技術股份有限公司と産業用ロボット事業を展開する合弁会社を設立し,スマートフォン製造に最適なロボットの開発・提供を目指している。

[ロボット事業]開発力・生産力の強化

中国第3工場起工式

中国第3工場起工式

スロベニア新工場(イメージ)

スロベニア新工場(イメージ)

 これまでロボット開発は日本で行ってきたが,現地顧客のニーズにタイムリーに対応するため,米国・中国・欧州などにおいても開発体制を整え,ロボットメーカとしての対応力を向上させることで市場競争力を高めている。

 生産面でも市場の需要増に対応するため,中国では江蘇省常州市に第3工場の増設を決定した。また,欧州においてはスロベニアに工場Yaskawa Europe Robotics を設立し,それぞれ2018年度の生産開始に向けて準備を進めている。

[ロボット事業]新製品の投入

人協働ロボット MOTOMAN-HC10DT

人協働ロボット
MOTOMAN-HC10DT

ロボットコントローラ

小型ロボットコントローラ
YRC1000micro

 新しいロボットアプリケーションとして注目される人協働ロボットMOTOMAN-HC10DT や,業界最小・最軽量ロボットMotoMINI に対応する小型ロボットコントローラYRC1000microを製品化した。

 また,2016年にリリースしたロボットコントローラYRC1000に対応する中大型ロボットシリーズを製品化することで,小型から大型まで一連のシリーズラインアップをそろえた。

 加えて,自動車のEV 化などで従来の鋼材と異なる素材の溶接に応えた高加圧スポット溶接が可能な中空スポット溶接ロボットMOTOMAN-SP180H,-SP225H や,小型ベルガンが搭載可能な中空手首を備えた小型塗装ロボットMOTOMAN-MPX1950を製品化した。

[ロボット事業]主な広報・展示会

2017国際ロボット展 当社ブース

2017国際ロボット展 当社ブース

アイキューブMechatronicsコンセプトを具現化したミニカー組立ラインデモ

i3-Mechatronicsのコンセプトを具現化した
ミニカー組立ラインデモ

 2017国際ロボット展(2017年11月29日~12月2日,東京ビッグサイト)では,「スマートファクトリを実現するi3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」をテーマに,最新コントローラとICT テクノロジーを駆使した統合制御ロボットシステムや工程変動生産に対応する人協働ロボットシステムなど,進化したものづくりソリューションを提案した。

 ものづくりの現場のフレキシビリティを向上させる最新技術と多様なニーズに対応する豊富なアプリケーション事例の展示に,多くの来場者の関心が集まった。

[システムエンジニアリング事業]鉄鋼システム

 鉄鋼業界は,2020年の東京オリンピックに向けて建設工事の加速,老朽化したインフラ設備の更新・メンテナンスの継続などが予想され,底堅い粗鋼生産需要が今後も見込まれる。また,IoT(Internet of Things)やAI の適用,TBM(Time Based Maintenance)からCBM(Condition Based Maintenance)への変革,省エネや環境対策対応などが進んでいくと予想される。

 このような状況の中,当社は国内では安定操業に貢献するシステムの納入,老朽設備更新における設備休止期間の最短化による生産性の維持,生産効率化に対する制御改善など,顧客ニーズの実現に貢献した。海外においても,ローカル拠点でのシステムインテグレータとのエンジニアリングの協業に加え,新たなパネルメーカや機器メーカとの協業による更なる地産地消への取組みなどグローバル対応を図り,国内外の顧客ニーズに応えた。

[システムエンジニアリング事業]社会システム

東京都足立区舎人公園 自家発電装置

東京都足立区舎人(とねり)公園
自家発電装置

愛媛県今治市下水浄化センター 管理棟中央監視室

愛媛県今治市下水浄化センター
管理棟中央監視室

 上水道においては2013年3月に策定された「新水道ビション」,下水道においては2014年7月に策定された「新下水道ビジョン2100」に基づき,効率的・効果的な施設の統廃合,監視制御システムの高度化や下水道の新たな機能や役割が求められている。

 当社では非常用発電設備工事,雨水排除に貢献するポンプ場の電気設備工事,上下水道施設の電気設備や中央監視設備の更新などを行い,前述の施策に貢献した。

 また,水処理技術の開発を進めるとともに,これまで培ってきたエンジニアリング力を駆使し,社会インフラの中枢である上下水道施設の安心・安全を確保した施設の更新だけでなく,新しいシステムを構築し,顧客に提供している。

[システムエンジニアリング事業]環境エネルギー

永久磁石式発電機(8MW クラス)

永久磁石式発電機(8MW クラス)

船舶用DC 母線システム

船舶用DC 母線システム

 風力発電市場は,欧州を中心に洋上風車の導入が拡大しており,発電コストを下げるために風車の更なる大型化が進んでいる。こうした需要の中,当社では2014年に8MW クラスの永久磁石式発電機を開発し,量産体制の構築とコスト低減に取組んできた。需要拡大ニーズに応えた結果,2017年は単年で93台を受注している。

 また,活エネの一環として取組んでいる船舶用ドライブでは,2020年に施行されるIMO(国際海事機関)の硫黄酸化物(SOx)排出規制を受け,推進システムの電動化が期待されている。このような状況の中,当社では高効率なDC 母線システムを開発し,初号機を受注した。このDC 母線システムは,半導体高速DC 遮断器を用い,健常な機器を確実に保護することにより船舶特有の信頼性を実現している。

[研究開発]第44回国際福祉機器展H.C.R.2017にCoCoroe 製品を出展

第44回国際福祉機器展 当社ブース

第44回国際福祉機器展 当社ブース

上肢リハビリ装置CoCoroe AR2

上肢リハビリ装置CoCoroe AR2

 昨年に引続き,第44回国際福祉機器展H.C.R.2017(2017年9月27~29日,東京ビッグサイト)に出展し,当社の2025年ビジョンに掲げているヒューマトロニクス事業の医療・福祉分野での取組みを紹介した。本展示会は福祉機器展としては参加者12万人を超えるアジア最大の規模であり,開催中は多くの顧客の来場を得た。

 展示会には,2017年9月に製品化した促通反復療法を支援する上肢リハビリ装置CoCoroe AR2,既に発売している脊椎損傷用歩行アシスト装置ReWalkを出展した。そのほか,販売開始予定である歩行訓練をアシストする足首アシスト装置,介助者の負担軽減を目指す移乗アシスト装置,歩行を支援する歩行アシスト装置を実機展示した。

 ブース内では各装置のデモンストレーションを行ったり,実際に装置を使用し体験してもらったりすることで,医療・福祉関係者に特長や機能を理解してもらった。

 開催中は,多くの病院及び施設関係ユーザ,販売代理店に当社の介護・リハビリ製品のブランドであるCoCoroeの認知度アップを行った。同時に,介護現場での使われ方やニーズをヒアリングすることで,製品の改良や新製品の開発に向けた情報を収集することができた。

[研究開発]ロボット産業マッチングフェア北九州2017に「実演教示機能」を参考出品

ロボット産業マッチングフェア北九州2017 当社ブース

ロボット産業マッチングフェア北九州2017
当社ブース

実演教示機能のデモ展示

実演教示機能のデモ展示

 ロボット産業マッチングフェア北九州2017(2017年6月21~23日,西日本総合展示場)に「実演教示機能」を参考出品した。研磨などの熟練を要する複雑な接触作業のロボット化を促進するため,人が手本を示す(実演する)ことでロボットに動きを直感的に教える機能である。

 人による研磨動作の実演,ロボットによる学習と再生までの一連の流れを示し,プログラミングペンダントでは難しい接触作業を容易に教示できることをPR した。来場者の関心も高く,研磨作業現場の要望をヒアリングできた。今後は実作業で検証しながら機能をブラシアップし,作業品質や利便性の向上を目指す。

[研究開発]第65回電気科学技術奨励賞を受賞

第65回電気科学技術奨励賞受賞

第65回電気科学技術奨励賞受賞

 当社の「アンプ内蔵サーボモータの開発」が,電気科学技術並びに産業の進歩発展への貢献を評価され,第65回電気科学技術奨励賞を受賞した。

 ガリウムナイトライド(GaN)パワー半導体を利用したドライブ回路技術,耐振動・高放熱構造技術の開発により,従来のサーボアンプの機能・性能を維持しつつ体積比1/2の小型化を実現した。

 サーボモータとサーボアンプ機能を一体化することで,製造装置全体の小型化,省配線による配線費用の削減に貢献できる。

[技術論文] 第65回電気科学技術奨励賞
世界初!GaN パワー半導体を搭載したアンプ内蔵サーボモータの開発

Σ-7シリーズアンプ内蔵サーボモータ

 当社ではガリウムナイトライド(GaN)やシリコンカーバイド(SiC)パワーデバイスを搭載した電力変換装置に向けて,それらパワーデバイスの駆動回路や周辺技術の開発に取組んでいる。今回,サーボアンプ部にGaN パワーデバイスを適用し,サーボアンプとサーボモータを一体化したアンプ内蔵サーボモータを開発した。そしてGaN パワーデバイスを搭載したアンプ内蔵サーボモータ技術の独創性,製造装置全体の小型化,省配線による費用削減への貢献が評価され,第65回電気科学技術奨励賞を受賞した。

 本稿では,アンプ内蔵サーボモータによるサーボドライブシステムと,サーボアンプ部へのGaN パワーデバイス適用効果を述べている。

[技術論文] 第65回電気科学技術奨励賞
簡易セットアップで各種モータに対応するEZベクトル制御の開発

産業用汎用インバータGA700

 従来インバータでは,モータの種別に応じた専用の制御方式を選択する必要があるため,設定パラメータや調整方法が異なり,セットアップが煩雑になる問題があった。

 今回,誘導モータ,永久磁石型同期モータ,及び同期リラクタンスモータを一つの制御方式で駆動できるEZ ベクトル制御を開発した。EZ ベクトル制御は一つの制御方式で各種モータを駆動できるため,調整・パラメータ管理が容易となり,セットアップ時間を短縮できる。また,実運転時に電流を最小化できるため,従来の制御方式に比べて更なる省エネを実現できる。

 このたび,本EZ ベクトル制御の独創性が評価され,第65回電気科学技術奨励賞を受賞した。本稿では,EZ ベクトル制御の原理,特長,従来制御方式と比較した効果を述べている。

[技術論文] 日本ロボット学会「第22回実用化技術賞」
バイオメディカルロボットシステムのティーチング作業負荷低減

バイオメディカルロボットMOTOMAN-CSDA10F

 創薬・製薬・臨床検査などのバイオメディカル分野において,単調かつ危険な作業をロボットが支援・代行する双腕のバイオメディカルロボットシステムを開発している。バイオメディカル領域にロボットを適用するためには,器具や装置のハンドリングなど複雑な教示が必要となるが,バイオメディカル分野の研究者はロボットの操作に馴染みがないため,ロボット導入の障壁となっていた。

 そこでロボット教示を簡易化するためのソフトウェア「ProtocolMaker」と,干渉回避したロボットの動作軌道を自動で生成する機能(パスプランニング機能)を持たせることにより,バイオメディカルロボットシステムのティーチング作業負荷低減を実現した。

 このたび,本技術の実用性,独創性が評価され,日本ロボット学会「第22回実用化技術賞」を受賞した。本稿では,バイオメディカルロボットシステムの構成とティーチング作業負荷を軽減する機能,バイオ実験への導入実績,今後の展望を述べている。

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