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株式会社安川電機(取締役社長 中山 眞)は、多軸ロボット制御の研究用ロボットパッケージ「RTLab」を開発いたしました。

　近年、2足歩行ロボット、ファッションロボット、エンターテイメントロボットなど産業用途以外の高機能ロボットがクローズアップされ、また産業用ロボットにおいても更なる高機能化が進んでいます。このような状況の中で、ロボットを動作させるモーション制御技術の研究・開発は不可欠なものです。また、将来のロボット制御技術者の育成のための学習ツールも必要です。

　研究用ロボットパッケージ「RTLab」は、当社開発研究所におけるロボティクス技術開発の場で使用されてきた多軸ロボット制御研究用ツールをパッケージ化し、多軸ロボットの動作制御の研究や学習用途として、容易に取り扱うことができるようにしたものです。特に、ロボットコントローラの部分にパソコンを採用することにより、オープンな環境での使用を可能としています。また、詳細なロボットの動作制御を実現するために、ロボットの駆動軸であるサーボモータの動作指令プログラムをパソコンから直接作成するようにしています。

　通常のロボットの動作制御は、使用するロボットのティーチングペンダントやオフラインティーチングソフトなどの専用ツールによる動作セットアップにより実行されます。このセットアップでは高度な動作制御を容易に組み込むことができるようにするために、詳細な動作制御は自動的に組み込まれるようになっています。「RTLab」は、これを汎用言語で直接作成することによってロボットの動作を制御するようになっているため、詳細な動作制御を含む様々な動作制御プログラムを直接開発することができ、複雑な動作制御の研究・開発や、ロボットの動作原理の学習に最適なものとなっています。

(1) パソコンからロボットの動作制御プログラムを開発することができる、オープンアーキテクチャーを採用しています。パソコンはReal Time Linux*1を搭載した汎用パソコンを使用し、リアルタイム性に優れた制御動作を実現します。
(2) 動作制御プログラムは、パソコンから汎用言語であるC言語で作成し実行させます。ロボットの動作をサーボモータの動作指令により制御することができるために、詳細な動作制御の開発が可能です。また、プログラムライブラリを準備しており、プログラムの開発も容易です。
(3) 実際のロボットを使用せずに、多軸サーボモータを組み込んだモータパネルにより、サーボモータの駆動状況から動作制御プログラムの処理を検証することができます。
(4) ロボットは、軽量・コンパクト・省エネタイプで実績のある当社製Compact MOTOMANシリーズ MOTOMAN-UPJのマニピュレータを採用しています。このマニピュレータは軽量化設計された6軸垂直多関節タイプで可搬質量は3kgです。また、設置面積はB5サイズ、旋回時の干渉半径はクラス最小ですので、設置スペースをとらず、据え付け、持ち運びが簡単です。さらに、各駆動軸は出力80W以下の小容量サーボモータを使用しており、省電力を実現しています。

(1) パソコン（コントロール用PC）

RTLinux^*1搭載のPC/AT^*1互換機を使用します。

サーボアンプユニットと接続して、ロボットまたはモータパネルを制御します。

サーボアンプユニットとのインターフェイスは、以下のPCIバス接続用ボードを使用します。

(2) アンプユニット

6軸のサーボアンプを搭載し、コントロール用PCからの指令でロボットの動作を制御する装置です。

(3) ロボットマニピュレータ

シンプルな小形6自由度マニピュレータです。

サーボアンプに接続して使用します。

(4) モータパネル

ロボットの代わりにサーボアンプユニットに接続し、動作制御プログラムによる指令の確認・検証をするための装置です。

ロボット制御技術の研究・開発、学習用として最適です。

今後、研究用・教育用としての機能の充実を図り、平成15年度に製品化を計画いたします。
尚、当面は試作品のサンプル提供をおこなうことも可能です。

（注）*1：各社製品の登録商標です。

[お問い合わせ先]

株式会社　安川電機開発研究所

　企画グループ課長

　藤石　弘希

Tel.(093) 571-6644

Fax.(093) 571-6028

E-mail.kaikenrq@yaskawa.co.jp