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安川電機 業界初のダブルリンク式支柱機構を採用 第10世代超大形液晶ガラス基板搬送ロボットを新発売
- 高速・高精度搬送、専用付帯設備の削減、早期立上げを実現「MOTOMAN-CDL3000D」-

新製品2007年11月29日

株式会社安川電機(取締役社長 利島 康司)は、第10世代サイズの超大形液晶ガラス基板搬送をターゲットに、業界で初めて昇降軸にダブルリンク式支柱を採用し、基板の大形化による生産効率向上への対応、設備費用削減やライン立上げ費用・時間の低減などを実現したクリーンロボット「MOTOMAN-CDL3000D」を開発・製品化しました。2007年12月1日より販売を開始します。

1. 製品化のねらい

当社は、1997年から液晶分野を対象にした液晶ガラス基板搬送クリーンロボットを市場へ供給してきており、2007年10月までの累積出荷台数は約12000台となり、フラットパネルディスプレイ(FPD)製造分野の生産ラインへ適用されています。

 最近の薄型テレビ等では、高精細フルハイビジョン対応、画面の大形化、低価格化など熾烈な市場競争が行われており、この薄型パネルには高精度、大形、低価格と、相反する条件をクリアする必要があり、設備生産性を含めた生産効率の向上が求められています。
 「MOTOMAN-CDL3000D」は、業界で初めて昇降軸にダブルリンク式支柱機構(昇降ストローク4000mm)を採用し、第10世代と呼ばれる3m角クラスの超大形マザーガラス基板を、高速・高精度で搬送することを実現しました。合わせて、ダブルリンク式支柱機構のフレキシブルな動作機能を活用して、専用付帯設備の削減や早期ライン立上げなどによる設備生産性の向上を可能にし、設置からパネル生産までのあらゆる場面での生産効率向上に貢献できます。

 今後は、従来からの垂直多関節構造タイプ、昇降軸がシングルリンク機構や直動機構方式のガラス基板搬送ロボットに、今回の昇降軸がダブルリンク式支柱機構の「MOTOMAN-CDL3000D」を加え、小形ガラス基板から第10世代の超大形ガラス基板まで、それぞれの特長を活かしたガラス基板搬送ロボットを市場供給し、FPDロボット事業を更に強化していく方針です。

2. 主な特長

(1) 第10世代超大形液晶ガラス基板の高速搬送を実現

別紙補足資料-1を参照】

ロボットの上下昇降軸は当社独自のダブルリンク式支柱機構を採用し、ダブルアームで可搬質量100kg/アーム、上下昇降ストローク4000mm、前後伸縮ストローク5200mmの実現によって、第10世代対応超大形液晶ガラス基板2850×3050mmサイズの搬送を可能にしました。
 ダブルリンク式支柱機構による高剛性とフレキシブルな動作でアームのたわみが少なく、また、ガラス基板を搭載するハンドのねじれ方向補正は、左右のリンク式支柱による上・下動のひねり動作でレベル調整が可能です。
 これらの高剛性機構と高い自由度のほか、駆動モータや減速機を含めた全体の軽量化、動力伝達系の改善によって、搬送速度はクラス最速を実現し、タクトタイム37.4秒*の高速搬送を可能にしました。これは第8世代(2200×2500mm級)と同等レベルの高速搬送に相当します。
 超大形液晶ガラス基板の高速・安定搬送によって液晶パネル生産における生産性の向上に貢献します。
  *:当社想定パターンによる(ガラスカセットからの取出し、上昇持ち上げ、ダブルアームでの
    ガラス同時入れ替え、下降中の水平移動、別カセットへの収納、水平移動で原点戻り)

(2) ガラス基板アライメント用専用台車が不要でシンプル設備、費用削減

別紙補足資料-2を参照】

 カセット内にあるガラス基板の搬出、搬入時におけるガラス基板のアライメント補正(X-θ方向の位置ずれ)は、従来のロボットでは、ロボットを搭載したX方向(水平方向)移動の横行台車を必要とし、ロボットのθ方向(旋回)動作と横行台車による複合動作で行っていました。
 「MOTOMAN-CDL3000D」は、上下昇降軸の左右のリンク部支柱を独立で動かし、ハンド位置の高さを変えずにロボットの旋回中心位置をX方向(横)に移動することができ、ロボットの旋回動作とによって、ロボット単体でガラス基板のX-θ方向アライメント補正を行うことを可能にしました。
 これにより、従来のアライメント用専用台車が不要となり、シンプルな設備が構築でき、設備費用や設置作業時間を大幅に削減することができます。

(3) ロボットの現地組立が不要で設置工数削減、ライン立上げ期間を1/2以下に短縮可能
 ロボット昇降軸が左右リンク方式なので、関節部の曲げ動作でロボット全体の高さを低くし、コンパクトで陸送可能な最小姿勢にすることができるほか、床面からカセット内の最下段ガラス基板までのパスラインは1360mmに対応できます。
 数メートルの高い直動昇降軸を持つロボットでは、設置現場でのロボット本体の組立作業を必要としていましたが、「MOTOMAN-CDL3000D」はロボット組立後に陸送寸法の姿勢を確保できるので、現地でのロボット組立作業が不要で設置作業が最小限で済みます。
 省スペース化及び作業時間・コストを削減でき、従来の1/2以下でのラインの早期立上げが可能です。

3.主な用途

液晶パネル製造分野における大形ガラス基板の搬送、カセットや処理装置での基板入れ替え作業

4.販売計画

(1) 販売開始  2007年12月1日
(2) 販売計画  400台/年
(3) 販売価格  2247万円/セット (税込み) 〔ロボット本体、コントローラ含む〕

お知らせ:
本ロボット「MOTOMAN-CDL3000D」は、2007年11月28日から12月1日まで東京ビッグサイトで行われている「2007国際ロボット展」の安川電機ブースにて展示・実演を行っています。
また、2007年12月5日から12月7日まで幕張メッセで開催される「セミコン ジャパン 2007」の安川電機ブースにて展示・実演を行います。
添付写真 「MOTOMAN-CDL3000D」

  • https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2007/11/26.jpg

[お問い合わせ先]

株式会社 安川電機 
ロボット事業部
事業企画部 課長補佐
安高あたか 博之
Tel. (093)645-7703
Fax. (093)631-8140

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