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小形高効率センサレス可変速同期モータドライブ Varispeed V7 picoを新発売
- 機械の小形・軽量化と高効率化を実現 -

新製品2005年3月2日

 株式会社安川電機(取締役社長 利島 康司)は、新開発の小形高効率センサレス同期モータと専用簡易ベクトル制御インバータを組み合わせた可変速同期モータドライブ Varispeed V7 pico(以降V7 picoと言う)を製品化し、平成17年3月21日よりサンプル供給を開始いたします。

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Varispeed V7 pico と V7 picoモータ」

1.製品化のねらい

 ファン、ポンプ、コンプレッサなどの風水力機械には、可変速による省エネ効果と始動のしやすさからインバータが最も使われており、インバータ市場の約30%がこれらの用途と考えられています。
 当社は、究極の省エネ同期モータドライブVS-686SS5を1997年に、その後、ビル空調に特化したVarispeed F7Sを2003年に発売し、特に中大容量風水力市場の同期モータ化を推進してきました。
 地球温暖化防止、省エネ法の改正などによる省エネ意識の更なる高まりと、機械の小形・軽量化のニーズにお応えするため、今回、小容量風水力市場向けに、高性能磁石内蔵の小形高効率センサレス同期モータと専用簡易ベクトル制御インバータを組み合わせた可変速ドライブの新シリーズを製品化しました。
 これにより、NEMA高効率モータを上回る究極の省エネと、誘導モータの約1/2~1/3の体積・質量を実現しました。
 合わせて、今まで蓄積して来たモータの応用・信頼性技術を投入し、一般的な同期モータドライブでは困難であった、ファンレスによる低騒音化、軸受け損傷(電食)の原因である軸電圧の低減を行うとともに、万一のインバータ故障時の磁石減磁防止も実現しています。

2.主な特長

 (1)

小形・軽量
高性能希土類磁石を用いた超小形同期モータにより機械の小形・軽量化を実現します。
例えば、3.7kWの当社誘導モータに対して、67%の体積削減と、55%の質量削減となっています。

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 (2)

省エネ
高効率モータと、インバータによる最適効率制御により、NEMA高効率モータを上回る総合効率を実現しています。NEMA高効率モータのインバータドライブに対して約4%の効率アップ、NEMA高効率モータの商用電源ドライブと比べてもほぼ同等の効率です。(V7 picoモータはインバータ駆動専用です)なお、汎用モータのインバータドライブに比べれば、約7%の効率アップとなります。

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 (3) 低騒音
全閉自冷ファンレスモータ構造により、ファンの風切音がしません。
 (4) 高信頼性
・精密機器であるモータ速度検出器や磁極検出器を用いない制御方式です。
・万一のインバータ故障による短絡電流を考慮したモータの磁石選定・設計を行っています。
・インバータ駆動時の軸受け損傷(電食)の原因になるモータ軸電圧を、一般的な誘導モータの約1/3に低減しています。
 (5)

世界標準ネットワーク対応インバータ
・RS-422/485のオープンプロトコルMemobus(Modbus)を標準搭載しています。
・オプションで、MECHATROLINK、CC-Link、DeviceNet、Profibus-DPに対応できます。(オプションは開発中です。)

-通信インタフェースユニットの装着例-

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 (6) 簡単操作インバータ
世界中でご好評をいただいている小形ベクトルインバータVS mini V7と同じ操作性です。定数(パラメータ)のコピー機能、冷却ファンON/OFF制御、冷却ファンワンタッチ交換、圧力・流量・温度等を自動制御するPID機能、機械保護が可能な過トルク/低トルク検出機能など風水力機械に便利な機能を搭載しています。
悪環境での使用を考えた、フラットヒートシンクタイプ(冷却フィン/冷却ファンレス)インバータも計画中です。

3.主な用途

 (1) ビル空調用エアーハンドリングユニットなどの小形ファン
 (2) 給水ポンプ、油圧ポンプなどの小形ポンプ
 (3) 半導体工場などの軸受け電食が発生しやすい環境用の小形ファン・ポンプ
(連続一定速運転を行うファンフィルタユニットなどへの適用は別途ご照会ください)
 (4) その他、起動トルク50%以下の小形流体機械・回転体機械
(コンプレッサ、攪拌機、分離機、研磨機など)
   
 瞬時停電時の運転継続や空転中のモータの再始動が必要な場合はご照会ください。

4.販売計画

 (1) サンプル供給開始 2005年3月21日
発売開始       2005年5月21日
 (2) 販売計画
2005年度 2100%台/月
2006年度 100%0台/月
 (3)

標準価格
200V 0.75kW モータ90,000円、インバータ 85,000円
200V 3.7kW モータ200,000円、インバータ170,000円

 (4) 製品シリーズ
200V 1,800min-1シリーズ 0.4~3.7kW(計5機種)
200V 3,600min-1シリーズ 0.75~3.7kW(計4機種)
 (5) 納入開始
2005年7月21日

 【補記・用語解説】

1.センサレス
  DCブラシレスモータやサーボモータなどの一般的な磁石付き同期モータと異なり速度検出器や磁石の回転位置検出器(磁極検出器)をモータ側に使用しない制御方式のことをいう。
2.ベクトル制御
  モータの磁束または磁束電流とトルク電流を制御する、インバータの高性能制御方式。電流を直接制御する電流ベクトル制御と、簡易の電圧ベクトル制御がある。
同期モータと誘導モータでは制御が異なる。
3.希土類磁石
  サーボモータやIPMM (内部磁石形同期モータ)などに使用されている高性能磁石で、モータの効率アップが可能。
4.電食、軸電圧
  インバータの出力電圧は3相の中性点電圧がゼロにならずパルス状に変化する。この電圧によりモータのシャフトとフレーム間に微小電圧(軸電圧)が誘起し、さらにこの電圧が原因で軸受けを通って放電(軸電流)することにより軸受けが損傷することがある。これを電食(または電蝕)という。
5.NEMA高効率モータ
  米国NEMA規格の高効率モータの定義。インバータ駆動は対象としていないが、ここでは効率の比較に用いている。

 

[お問い合わせ先]
株式会社 安川電機
モーションコントロール事業部
インバータ事業統括部
インバータマーケティング課
課長 野中和浩
Tel.(0930)25-2548
Fax.(0930)25-3431

 

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