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新形ウエハソータを開発
- 高クリーンでの業界最高クラス処理枚数を実現 -

新製品2004年11月30日

 株式会社安川電機(取締役社長 利島 康司)は、300mmサイズのウエハに対応し、複数のウエハ搬送キャリア間で、高速かつクリーンにウエハ移載を可能とする新形ウエハソータを開発し、2004年12月1日から販売を開始します。

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「新形ウエハソータ」

1.製品化のねらい

 半導体製造ラインでは、歩留まり向上や高クリーン環境維持のため、汚染原因の一つである人の関与を最小限にする自動化を進めています。また、システムLSIを始めとする多品種少量生産を効率よく行うため、細やかで柔軟な工程管理が必要になっています。
 
 新形ウエハソータは、人に代わってウエハキャリア内にあるウエハを自由に移載できる装置です。装置内全工程でウエハ外周のみを把持する機構の開発や、ロボット等のクリーン対策強化を行い、300mmウエハ表面でPWP*1 0.01以下を達成、高クリーン環境下での処理枚数300枚/hという業界最高クラスの移載速度を実現しました。また、ウエハキャリア、ウエハ自体のID情報を読み出す機能や、読み出した情報を工場管理ホストコンピュータなどの周辺機器とやり取りする、豊富なインターフェースを付加できます。さらに、入荷時や工場内で使用されるさまざまなウエハキャリアに対応でき、ウエハ入荷を含めた全工程での自動化と、細やかで柔軟な工程管理を支援します。半導体製造ラインの自動化や工程管理の強化に最適な装置となっています。

2.主な特長

 (1) ウエハ外周把持での移載によるクリーン対応
 最近では、ウエハ表面はもとよりウエハ裏面に対してのゴミ付着も重要な問題になっています。搬送時、ウエハ裏面を吸着等、接触して把持を行うことで起こるゴミ転移をなくすため、ウエハ外周のみを3本の爪で把持するようにしました。またソータ内にあるプリアライナ(ウエハの回転角度を揃える装置)もウエハ外周把持機構とすることで、ウエハ移載の全工程でウエハ裏面への非接触を実現しています。
 その他に、装置内のクリーンロボットや走行機構等へのクリーン対策の強化により、装置全体でのクリーン度ISOクラス1、PWP 0.01以下(300mmウエハ表面全体での0.15μm以上のゴミの数)を実現しています。
 (2) 業界最高クラスの処理枚数
 ウエハ移載用クリーンロボットには双腕タイプを採用し、ウエハの収納・取り出しを一度に行うことで効率化を図っています。また、その伸縮アームは動作速度1466mm/sと高速です。さらにクリーンロボットの走行機構には、当社製リニアモータを採用し走行速度1500mm/sの高速移動を実現しています。ロボット・リニアモータ等、当社の得意とする技術を駆使することで、高クリーン環境下で業界最高クラス300枚/hのウエハ移載処理スピードを両立しました。
 (3) さまざまなオプション構成に対応
 半導体製造ラインの規模や仕様に応じて、さまざまな機能・構成のウエハソータを提供することが可能です。搭載するLoadPort(ウエハキャリアを受け取り、キャリアの蓋を開ける装置)は、2~8ステーションまで対応でき、キャリア反転機構の装備も可能です。また、工場内で使われる複数メーカのウエハキャリアに対応できるだけでなく、工場へのウエハ入荷、出荷用の特殊キャリアにも対応したことで、入荷から出荷までの全工程で自動化が可能です。また、キャリアID・ウエハIDの読取装置や、読み取った情報をホストコンピュータを含めた周辺機器とやり取りする豊富なインターフェース類を準備しています。

3.主な用途

 半導体製造ライン

4.販売計画

 (1) 販売開始 2004年12月1日
 (2) 販売計画 200台/年
 (3)

販売価格 2800万円(2LoadPortタイプ:写真の製品)~
       価格は仕様により変動します。

 なお本製品は、12月1日(水)から3日(金)まで幕張メッセで開催される「セミコンジャパン2004」において、当社出展ブース内に展示実演予定です。

【文中語句説明】

*1: PWP(Particle Per Wafer Pass)
  ウエハが、装置内のある場所から移動開始し、その場所に戻ってくる1サイクル移動の間に、ウエハ表面に付着するゴミの数。 PWP 0.01以下とは、同じウエハを装置内で100サイクル動作させて1個のゴミが付着するということ。
   

 

[お問い合わせ先]
株式会社 安川電機
ロボティクスオートメーション事業部
事業企画部 課長補佐 安高(アタカ) 博之
Tel.(093)645-7703
Fax.(093)631-8140

 

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