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機械・設備の視える化、故障予知をインバータで実現
- インバータ用プログラミングツールDriveWorksEZの機能を強化 -

新製品2018年1月24日

 株式会社安川電機(代表取締役社長 小笠原 浩)は、インバータによる機械・設備の視える化、および故障予知や不具合の検知を実現するプログラミングツールDriveWorksEZ(ドライブワークスイージ)の機能を強化したバージョンアップ版を、124日(水)よりリリースしますのでお知らせいたします。

1.開発の背景

 当社は、長期経営計画「2025年ビジョン」に掲げている「新たな産業自動化革命の実現」に向け、新たなソリューションコンセプト「i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」を昨年10月に発表しました。お客様の機械・設備を充実させるためのコンポーネントを中心とした既存のハード面でのソリューション提供に加え、その機械・設備を実際に稼働させた後のデータ活用による生産性の向上、高い品質の確保・維持、そして止まらないラインの実現といったソフト面での製品力を拡充し、お客様の生産現場において新しいトータルソリューションの提供を目指しています。

 近年、産業界をとりまく環境は、IoTAIを活用した視える化やフレキシブルかつ高効率な生産ラインの実現など大きく変化しようとしています。そのような背景から、機械・設備の生産効率向上や保守費用削減を目的とした運転状況のセンシングや、それを活用した機械の故障予知に対するニーズが高まっています。

 プレス機やコンプレッサなど様々な機械・設備で使用されている当社のインバータGA700は、プログラミングツールDriveWorksEZを用いてカスタマイズすることでモータの制御だけではなく、インバータの内部情報を用いたセンシングを行うことができます。そのデータを活用することにより機械・設備の視える化および、故障予知や不具合の検知を行うことが可能です。

 今回リリースするバージョンアップ版を用いることで、より正確なセンシングを行うことが可能になり、お客様の機械・設備の更なる価値向上に貢献します。

2. インバータによるセンシング機能の概要

 インバータはモータを制御するとともに、モータやインバータ自身の運転状況を常にモニタリングしています。モニタリングしたデータを加工・判断し、正常時と違う状態を検知することで機械・設備の故障予知や不具合の検知を実現します。

 故障予知の条件はDriveWorksEZのプログラムにより、お客様の機械・設備に合わせてフレキシブルに設定することが可能です。また、故障予知した結果を上位コントローラに伝えることで、

稼働状況を視える化できます。

 

故障予知のイメージ

3.センシング機能の活用例

(1)コンベヤの故障予知

 コンベヤのベルトが搬送物などによって傷ついた場合、その傷がローラーなどに接触することで、振動が増大します。この振動の変化をインバータ内部のトルクモニタで検出して、アラームとしてお知らせします。

  • https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2018/01/EZ2.jpg

(2)フィルタ目詰まり検知

 ファンやポンプではフィルタの目詰まりやごみの堆積により、モータの電流(消費電力)が変化します。その電流(消費電力)をインバータ内部の電流モニタで検出して、アラームとしてお知らせします。

  • https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2018/01/EZ3.jpg

4.DriveWorksEZバージョンアップ内容

 1月22日(月)のDriveWorksEZのバージョンアップにより、故障予知・不具合検知の精度や作業効率が大幅に向上します。

(1)リモートI/O機能の追加

 インバータGA700が通信マスタになり、スレーブのリモートI/Oを通信で制御することで、他の機器を動作させたり、リモートI/O経由でセンサ信号を取り込んだりすることが可能です。インバータ内部で得られるデータ(モータ速度、電流、トルクなど)のみならず、外部のセンサからのデータも取り込むことで、故障予知の精度を上げることができます。また、得られたデータはMECHATROLINK等のネットワークを介して、上位コントローラにフィードバックすることができます。

  • https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2018/01/EZ4.jpg

    リモートI/O制御の例

(2)マスタ/スレーブ運転機能の追加

 インバータGA700が通信マスタになり、スレーブインバータを通信で制御することで、簡易巻取機やコンベヤの同期運転等の簡単な制御をインバータ2台で構築できます。また、運転状況や故障予知データはMECHATROLINK等のネットワークを介して、上位コントローラにフィードバックすることができます。

  • https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2018/01/EZ5.jpg

    インバータマスタ/スレーブ通信制御による巻取機制御の例

(3)シミュレーション機能の向上

 従来、DriveWorksEZで作成したプログラムの動作確認にはインバータと接続する必要がありましたが、これをパソコンのみでシミュレーションできるようになりました。

 通常動作やステップ毎の動作が可能で、インバータや設備がなくても、事前にプログラムの確認、修正が可能です。これにより、故障予知までの導入等がスムーズになります。

5.リリース計画

(1)バージョンアップ開始日:2018124日(水)

(2)利用方法:安川電機の製品技術情報サイト(e-mechatronics.com)からサポートツールのページへアクセスし、「DriveWorksEZ Ver.10」を選択してサービスをご利用ください。

http://www.e-mechatronics.com/download/tool/inverter/drive_worksez_ga/index.html

6.対応機種および適用範囲

DriveWorksEZ対応機種 : GA700U1000A1000V1000

■追加機能の対応機種:GA700

■インバータ側ソフトウェア:S1021以降

DriveWorksEZバージョン:10.0.1.0以降

■リモートI/O機能推奨機器:㈱エムシステム技研製 リモートIO R7 シリーズModbus用(形式:R7M

 

【お問い合わせ先】

株式会社 安川電機

インバータ事業部

営業推進部 販売促進課

時安 秀彰

TEL: 0930-25-2548

FAX: 0930-25-3431

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