新製品2025年8月28日
株式会社安川電機(本社:福岡県北九州市 代表取締役社長:小川 昌寛)は、2021年3月に製品化したACサーボドライブΣ-X(シグマ・テン)シリーズにおいて、標準品のサーボパックにお客さまの装置や用途に応じた最適な機能を追加して「FT仕様」として販売しています。このたび、従来からの機能に加え、センシングデータの一次解析と自軸のモーション制御(カスタムモーション)をサーボ単独で実行でき、また、簡易な自軸の位置決めなどの制御が可能な機能(スタンドアローンカスタムモーション機能)を備えた「Σ-XシリーズFT54仕様」を8月28日(木)から販売開始します。これらの機能により、サーボ単独で自律分散システムの構築を実現します。
ACサーボドライブΣ-XシリーズFT54仕様
当社は2021年3月に「進化を加速するモーション×デジタルデータソリューション」をコンセプトにACサーボドライブΣ-Xシリーズを製品化しました。Σ-Xシリーズは高機能・高性能化に加えて、センシングデータを活用して当社ソリューションコンセプト「i³-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」を実践する製品ラインアップとして多くのお客さまからご好評をいただいています。
これまでお客さまの多様化する装置ニーズにお応えするため、長年の蓄積したノウハウを生かし、装置の用途別に最適な機能を搭載したΣ-XシリーズFT仕様の機種展開を増やしてきました。Σ-XシリーズFT54仕様は、サーボパック内にユーザーがアプリケーション(プログラム)を組むことができるセンシングデータカスタマイズ機能と、サーボドライブ単独でモーション制御を実行できるスタンドアローンカスタムモーション機能を搭載した製品です。上位コントローラを使わずともサーボドライブ単体で簡易な位置決めを行う用途向けの製品で、シンプルな自律分散システムを実現します。
①センシングデータカスタマイズ機能
専用のエンジニアリングツールを用いることで、サーボパック内で実行するユーザーアプリケーションを組むことができ、そのアプリケーションによってサーボパックのセンシングデータを収集し一次解析します。センシングデータ(位置/速度/トルクに関するデータ、サーボモータやサーボパックの稼働状態のデータなど)を最速125μsで高速に収集できるとともに、センサーネットワークのΣ-LINK IIに接続された外部センサーからのデータもサーボパックの制御周期に合わせてユーザーアプリケーションで収集できます。これらのセンシングデータを用いて精度の高い解析(最大値・最小値の検出、イベント回数のカウント、状態監視)を行い、装置に最適なデータカスタマイズが可能となります。
②スタンドアローンカスタムモーション機能
サーボパックに組み込んだユーザーアプリケーションによって自軸のモーション制御(カスタムモーション)を実行できる機能を備えており、位置決め、定速送り、補間制御、速度制御、トルク制御、原点設定などの自軸のモーション制御を行うことができます。
このような自律システムを実現することで装置周辺設備がモジュール化され、装置アプリケーションの変更を最小化することで周辺設備の変更の工数削減や、装置アプリケーションの負荷分散による最適なシステムの実現が可能です。
また、Ethernet通信にてタッチパネルなどとメッセージ通信を行い、ユーザーアプリケーション内の書込み・読込みといった一時データ保管(レジスタ)操作を行うことができます。これにより、センシングデータや解析結果の送信が可能となります。
システム構成のイメージ
FT54仕様は50Wから15kWまで幅広い容量帯のサーボパックで対応可能です。
サーボ単軸で行う簡易な制御において、お客さまのご要望に合わせてカスタマイズすることで様々な用途に対応します。
・チャンバードアの開閉、圧着溶接(センサフィードバック等のカスタマイズ)
・工作機械のツールチェンジャー(接点指令、割出しアプリケーション)
(1)販売開始日 2025年8月28日(木)
(2)販売価格 オープン価格
(参考)過去のニュースリリース
ACサーボドライブΣ-Xシリーズにデータのカスタマイズ機能を備えたFT仕様を販売開始
- センシングデータの収集や一次解析に加えモーション制御へのフィードバックが可能に -
https://www.yaskawa.co.jp/newsrelease/product/454597
<通信ネットワークの商標に関する注記>
ETHERNET(イーサネット)は、富士フイルムビジネスイノベーション株式会社の商標です。
【お問い合わせ先】
株式会社 安川電機
営業本部 CRM戦略推進室
北條 玄静
TEL:03-5402-4507