パワー変換

パワー変換


当社の3つのコア技術の一つであるパワー変換は、供給された電力を適切な電力に変換する技術です。モータなどの電気機器を動かすのに必要な電力を生成するにはパワー変換が必要になります。また、発電機(ジェネレータ)などから供給される電力を使用する場合もパワー変換が必要です。産業用機器を動かすサーボやインバータのほか、太陽電池などから電力を供給するパワーコンディショナ、さらに電気自動車(EV)にもパワー変換の技術が用いられています。

変換技術
AC-DC変換 / DC-AC変換

パワー変換における変換技術は、入力された電源の電圧、電流、周波数を制御して、所望の出力に変換する技術でインバータなど当社製品の多くに展開されています。

AC-DC変換

AC-DC変換はAC電圧をDC電圧に変換する技術で、AC電圧を整流、平滑してDC電圧を生成します。整流は全波整流と半波整流の方式に分類でき、全波整流は交流の正負どちらも利用し、半波整流は正負どちらかを利用して整流する方式です。変換により得られるDC電圧を乱れなく一定の電圧にする開発を行っています。
AC-DC変換はAC電圧をDC電圧に変換する技術
AC-DC変換はAC電圧をDC電圧に変換する技術

DC-AC変換

DC-AC変換はDC電圧をAC電圧に変換する技術で、半導体素子を利用し、そのオン・オフを制御することでAC電圧を生成します。パワー変換では制御のための信号として、オン・オフ時間に対応するパルス幅を持つPWM(Pulse Wide Modulation)信号がよく用いられます。
DC-AC変換はDC電圧をAC電圧に変換する技術 DC-AC変換はDC電圧をAC電圧に変換する技術

小形・高効率化 冷却技術 / 耐ノイズ・高調波レス技術 / 新デバイス利用技術

装置としてのインバータは、AC電圧を整流回路でDC電圧へ変換し、そのDC電圧を任意のAC電圧・周波数へ変換する逆変換を行います。この逆変換時に、半導体素子の内部抵抗による導通ロスやスイッチング時の切り替え遅延によるスイッチングロスといった変換ロスが発生し変換効率を低下させてしまいます。この変換ロスを低減させることにより、インバータの効率向上や小形化につながるのでスイッチング制御技術や新デバイスの利用技術などを開発しています。

冷却技術

パワー半導体素子の変換ロスは発熱の要因となりインバータを小形化するうえでネックとなるため、発熱を考慮した冷却機構が必要となります。当社では装置の熱設計の段階から筐体と基板の温度や気流分布をシミュレーションで解析し試作品を作ることなく冷却構造を最適化して小型化する技術を培っています。

耐ノイズ・高調波レス技術

パワー変換は扱う電力が大きく、発生するノイズも大きいので、他の電子機器への影響を抑えるためにノイズ対策が特に重要です。電子機器などのノイズによる電磁環境を悪化せずシステムに対して影響を与えないEMC(Electro Magnetic Compatibility /日本語で電磁両立性)ではシールドやフィルタによる対策を行っています。また電力変換では電流の歪みにより高調波も発生します。その対策として電線を巻線状にすることで電流を妨げるいわゆるリアクトルを付加することが一般的に行われます。当社の独自の技術を盛り込んだインバータの一種であるマトリクスコンバータは、DCへの変換を行わないために、電流が商用電源とほほ同じ正弦波となり高調波レスとなります

新デバイス利用技術

パワー変換を行うデバイスとして、サイリスタの利用に始まり、現在ではパワーMOS FET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)やIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)が広く利用されています。そして近年はより高速な動作、高い耐圧、高温での動作といった特長を備えたSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)などのワイドバンドギャップ半導体素子も注目されています。ワイドバンドギャップ半導体は、価電子帯から伝導体への遷移エネルギーが大きな半導体素子で、従来のシリコン半導体に比べ、装置の小形・高効率化を実現できるため、これを応用する研究を進めています。

技術開発拠点 安川テクノロジーセンタ(YTC)

3つのコア技術を統合させた
技術開発拠点 安川テクノロジーセンタ(YTC)
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3つのコア技術が真ん中にある長期経営計画「ビジョン2025年」

長期経営計画「ビジョン2025年」

3つの技術から展開されている製品群

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