嶌本慶太
技術開発本部 つくば研究所
2022年5月31日
本技術論文は,埋込磁石形同期電動機(IPMSM)のdq軸座標系における軸間干渉インダクタンスの推定手法と,推定結果を電流制御に反映する方法を報告する。従来の電流制御における電圧方程式モデルは,dq軸座標系における軸間干渉インダクタンスの項が含まれない。本軸間干渉インダクタンスはモータの電気角や負荷電流によって変動し,計測が困難なパラメータである。しかし,本軸間干渉インダクタンスを無視したモデルを用いた制御は,実際のモータとのモデル化誤差があるため,モータの速度やトルクの振動の原因となる。そこで,高周波電圧重畳による位置推定アルゴリズムを応用し,dq軸座標系における軸間干渉インダクタンスを推定し,電流制御の非干渉制御部にて補償する手法を提案した。本手法により,IPMSMの位置センサレス制御の加減速における速度応答の振動を従来よりも低減できることを実験により示した。
なお、本稿は “Estimation of dq-axis Mutual Inductances for Vibration Reduction of Encoderless Control,” in 2021 IEEE 30th International Symposium on Industrial Electronics (ISIE)を再編したものである。© [2022] IEEE. Reprinted, with permission, from [“Estimation of dq-axis Mutual Inductances for Vibration Reduction of Encoderless Control” in 2021, IEEE 30th International Symposium on Industrial Electronics (ISIE) ]
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