技報安川電機

Vol.68 No.1 2003年の技術の成果

巻頭言

顔写真:社長近影
取締役社長
利島 康司
Kôji Toshima

 2003年は,世界においてイラク戦争などの大きな事件が続いた年でありました。国内経済環境としては急激な円高進行の不安定要素はあったものの,中国の急成長などの影響で徐々に明るさが見えはじめ,年後半には自動車・鉄鋼や半導体関連分野など輸出を中心に活気の出てきた年でした。

 当社は,中期経営計画Win21に引き続き,昨年度,利益体質造りを目指した中期経営計画Win21プラスを新たに策定し,コア事業であるモーションコントロール及びロボティクスオートメーション事業へ経営資源を集中し,課題の一つである製品の早期市場投入に取り組んできました。モーションコントロールやロボット分野を中心に新製品を市場に投入し,一方で堅調に推移したエンジニアリングシステム分野と合わせ多くの成果を上げました。また次世代につながる事業・技術開発を目指し,開発研究所を再編し,将来への布石も打つことができました。

 モーションコントロール事業におきましては,高速モーションネットワークMECHATROLINKメンバーズクラブ設立などオープン化やマシンコントローラMP2000,サーボドライブSIII,リニアサーボドライブの各シリーズの拡充,インバータのネットワーク化などに力を入れました。開設2年になるソリューションセンタにおきましては,CS向上を目指したソリューション提供活動も一段と充実し,軌道にのってきました。

 ロボティクスオートメーション事業におきましては,自動車関連を中心にした産業用ロボットMOTOMAN-Eシリーズや-HPシリーズ,コントローラNX100などの製品化や半導体分野でのウエハやガラス基板搬送用真空ロボットMOTOMAN-RV740S6-RV1060D6の開発により,顧客へのソリューション提供に努めました。おかげさまで,ロボット累積出荷台数10万台達成など,大きな成果を上げることができました。

 システムエンジニアリング事業におきましては,水処理やごみ処理の環境関連分野で下水シミュレータAqua-Naviやオゾン水処理装置などの新基軸製品,ごみ焼却電気品の開発を進める一方,堅調に推移した鉄鋼関係の設備更新需要ニーズに対しては,システムコントローラCP-3550の投入など最新のIT応用によりシステムソリューションの提供に努めました。また,環境にやさしいエレベータ用のドライブ制御システムも開発しました。

 研究開発におきましては,21世紀の課題である高齢化や環境問題解決に貢献することを目指し,モーションコントロール,ロボット,エネルギー・環境分野の次世代メカトロ技術開発を進めました。具体的には,人間と協調共存するロボット技術や,小形発電システムなどに取り組みました。また,事業部製品開発と連携した要素技術開発にも様々な成果を上げることができました。

 ここに2003年の技術成果のまとめとして本誌をお届けします。今後とも,皆様方に一層満足いただける製品やシステムを提供すべく技術の研鑽に努めてまいりますので,ご指導・ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。