YASKAWAは今
クレーンは、様々な形態の製品や原材料などを移送する手段として産業界に不可欠な設備です。工場内の天井クレーン、ビルやダムの建設クレーン、港湾のアンローダやコンテナクレーンなど多種多様です。これらのクレーンには古くから自動化のニーズがあり、コンテナクレーンや天井クレーンなど一部では自動化が進んでいます。
ここでは、アンローダを自動化するためのセンサレス振れ止め制御について紹介します。
アンローダについて
アンローダは、船から鉱石や石炭などのばら荷を陸揚げするクレーンの一種で、このうち橋形アンローダは、グラブバケットの支持・開閉、トロリの横行、クレーンガーダを昇降する起伏、脚の走行の5軸で構成されています。
その動作は、つり具であるグラブバケットで荷をつかみ、搬送高さまで巻き上げながら、トロリでホッパ上まで移動して荷卸しします。荷卸し後は、再び荷つかみ位置まで戻り、同様の動作を繰り返します。グラブバケットは、ワイヤロープで支持されているため、トロリの横行動作で振れが発生します。

橋形アンローダ動作
振れ止め制御の課題
当社はこれまで、初期振れや風の影響による残留振れの発生を防止した振れ止め制御を開発し、天井クレーンやコンテナクレーンの無人制御システムを実現してきました。この振れ止め制御は、振れ角センサを用いたクローズドループ制御方式(振れ角ダンピング制御方式と呼ぶ)のため、安定した制御が可能です。
コンテナクレーンの場合は、コンテナ専用のつり具(スプレッダ)に振れ角センサを取付けることができます。しかし、アンローダではグラブバケットをつり具とし、支持・開閉ロープの繰り出し量の差を利用して荷つかみ動作を行っており、荷つかみ時の衝撃、振動、粉じんなどの環境面からつり具部への振れ角センサの取付けは困難なため、外乱の影響を受けやすいオープンループ方式での振れ止め制御が主流となっていました。
センサレス振れ止め制御の開発
当社は、振れ角ダンピング制御方式の技術を活用し、振れ角センサを使わないクローズドループ方式のアンローダ用センサレス振れ止め制御を開発しました。
従来の振れ角ダンピング制御方式では、つり具の振れを振れ角センサで検出し、それにダンピング係数を乗じたものを速度補正信号としてベースの速度信号から減ずることにより振れ止め制御を行っていました。センサレス振れ止め制御は、制御ブロックに示すように、負荷トルクオブザーバで振れ角を推定します。すなわち、振れ角センサが検出する振れ角の代わりに負荷トルクオブザーバで推定演算した振れ角に置き換えた振れ
止め制御方式です。
センサレス振れ止め制御では、ホッパ上でトロリを精度よく停止させるのではなく、熟練オペレータの操作と同様、トロリを移動させながらホッパ上でのグラブバケットの振れを抑制できるため、荷こぼれなくホッパに荷卸しすることができます。

センサレス振れ止め制御ブロック







