
株式会社安川電機(取締役社長 中山 眞)は、おもに脳血管疾患患者の一般病床(急性期病床)*1を対象とした医療や介護用の下肢リハビリテーション装置として、患者がベッドに寝たままの姿勢で、医師や看護師などのリハビリテーション専門家以外の医療スタッフによる急性期の早期リハビリテーションができ、しかもベッドや病室間の移動が可能な「ベッドサイド型下肢運動療法装置 TEM LX2」を、2003年 3月 1日から販売開始します。 |

「ベッドサイド型下肢運動療法装置 TEM LX2」
1. 製品化の背景とねらい
(1) 背景
高齢社会の到来とともに、脳卒中をはじめとする脳血管疾患患者や、人工関節の置換手術後の患者が増加してきており、医療・介護スタッフやリハビリ機器の不足等が深刻化しています。医療機関では、急性期患者の早期回復のため、急性期病床やICU等で、リハビリの専門家以外の医療スタッフが簡単で安心して使用できる、早期リハビリテーション装置が期待されています。 当社では、人間共存形ロボットへの技術展開として、2000年11月に、脳卒中や脊髄損傷、脳性麻痺患者などの下肢機能回復訓練用や整形疾患患者等の療養病床(慢性期病床)*2における回復期や維持期のリハビリテーション用を対象に、リクライニング機構のベッド装備式で、股関節と膝関節を同時に自由に運動制御ができる「下肢運動療法装置TEM(テム)LX1」を慶應義塾大学医学部月が瀬リハビリテーションセンターと共同研究・開発し、リハビリテーション装置として医療関連機器分野に本格的に参入しました。 |
(2) ねらい
現状製品の「下肢運動療法装置TEM LX1」は、大学病院や大規模病院等を対象に、機能を重視(高価格)し、主に研究用の役割をねらった製品ですが、「ベッドサイド型下肢運動療法装置TEM LX2」は、おもに脳血管疾患患者を対象に、実際の治療への使用と経済性効果を重視(低価格)した普及、市場浸透を図ることをねらいにして、急性期の早期リハビリテーション用として製品化しました。また、急性期のほかに回復期、維持期の各ステージのリハビリテーションをカバーすることも可能です。 本製品は、急性期患者の股・膝・足の各関節を同時に、かつ長時間の他動運動*3を可能にし、関節拘縮予防や浮腫の軽減、ICUでの意識障害患者の意識レベル改善等が期待されることにより、早期回復・離床、早期社会復帰に貢献できます。 移動用キャスタ付きのベッドサイドタイプなので、ベッドや病室間の移動が可能なほか、リハビリの専門家による治療パターンを専門外の医療スタッフが簡単な操作で選択でき、しかも安心して使用できます。 なお、本開発は九州大学医学部附属病院との共同研究・開発によるもので、新エネルギー・産業技術総合開発機構、及び経済産業省から助成金の支援を受けて行ったものです。 |
(1) 理学療法士が行う治療動作パターンを内蔵し、急性期の適正なリハビリテーションを提供
医師や理学療法士が、熟練した療法技術として内蔵している治療動作パターンと期待される効果は次の通りです。 |
| [1] | 足関節の角度を固定したまま、膝関節を曲げ伸ばしして、ふくらはぎ部分の筋肉(緋腹筋、ひらめ筋)のストレッチを行い、足先がのびたままで固まること(尖足)を予防します。 |
| [2] | 股・膝・足の各関節を同時に動作させることで、関節の拘縮を予防するほか、この連続動作によって脳の血流量が増加し、ICU等での意識障害患者の意識レベルの改善が図れます。 |
| [3] | 外傷などにより、股や膝の関節を動かせない場合に、足関節だけを曲げ伸ばしして(底背屈動作)、足関節の拘縮を予防します。 |
| [4] | 膝関節を伸ばしたまま、脚を上下させることで、下肢からの静脈還流が大きくなり、足やふくらはぎに血の塊ができる症状(深部静脈血栓症)や、血の塊が肺に到達して肺動脈を閉塞しておこる肺循環障害(肺塞栓)を予防します。 |
| [5] | 整形疾患患者の人工関節の置換手術後に、かかとの高さ位置を一定に保ったまま、股関節、膝関節を曲げ伸ばしさせることで、関節部の可動範囲を広げ、疼痛を軽減します。 |
(2) ベッドサイド形で移動が簡単、しかも簡単な操作で使いやすい
おもな対象患者は、急性期の脳血管疾患患者や、人工関節の置換手術患者等のため、ベッドの上に寝たままでリハビリができるように、4輪キャスタ付きでベッドや病室間の移動が簡単にできるベッドサイド形です。 |
(3) 安全で、安心して使用できます。
緊急時の停止や、患者からの信号による停止機能などを以下に示します。
| [1] | 動作中における装置上のアーム(腕)に触れると、アーム表面に設置した接触検知センサによって感知され、停止します。 |
| [2] | 患者の不意な動きなどで装置に大きな力がかかった際には、患者にかかる力を減少するようにアームが柔らかく動作する機能を持っています。 |
| [3] | 設定した動作速度より速くなった場合は、速度異常検出機能により停止するほか、設定した動きの軌道から大きくずれた場合には、異常ずれ量検出機能により停止します。 |
| [4] | 操作者用に緊急停止スイッチを操作パネル盤面に標準装備しています。患者用には手元スイッチをオプションで準備しています。 |
| [5] | 外部の計測モニタからの血圧や脈拍などの異常検出信号による停止機能をオプションで準備しています。 |
3. おもな用途
(1) 脳血管疾患患者、及び人工関節の置換手術患者など整形疾患患者を対象とした、急性期における早期リハビリテーション |
4. 販売計画
(1) 販売開始:2003年 3月 1日
(2) 販売計画:50台/年
(3) 販売価格:
[1] 購 入 時 380万円
[2] リース時 基準は5年リースで約75,000円/月
[文中語句説明]
※1 一般病床(急性期病床):診療報酬制度における平均在院日数28日以下の病床を示します。 |
| -お問い合わせ先- |
| 株式会社 安川電機 |
| ロボティクスオートメーション事業部 事業企画部 |
| 課長補佐 古谷(コヤ) 和久 |
| Tel.(093)645-7703 |
| Fax.(093)631-8140 |